ロシアのカンガルー肉禁輸、業界に打撃
- 2009/7/31
- 畜産
ロシア政府が8月1日からカンガルー肉の輸入を禁止することを受け、国内の農家の間では、カンガルーの数が激増するとの懸念が広がっている。ロシアは現在、輸出先の70%を占めている。27日付クーリエメールが伝えた。クイーンズランド州拠点の農業団体アグフォースは、国内需要も減少傾向にあることから、決められた間引きだけでは頭数の増加を抑えることはできないと指摘。すでに今季は20〜30%増を示しているとして、カンガルーが生態系を脅かすことに懸念を示している。昨年の国内のカンガルー肉消費は約4,000トン。また、カンガルー食肉産業の売上高は年間2億7,000万豪ドルに上ると推測され、地方経済に与える打撃の大きさにも言及している。同業界では、フルタイム雇用500人、パートタイム雇用2,000人を抱えるとされる。ロシアはカンガルー肉の輸入差し止めについて食品安全上の理由と説明している。だが、ロシアが30カ国からの食肉輸入を禁止し、欧州連合(EU)はカンガルー肉の安全性にお墨付きを与えていることから、業界は政治的な意図が禁輸の背景にあるとみている。業界団体のカンガルー産業開発委員会は、この問題について協議する予定。
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