日本向け豪産牛肉、数量堅調も収益苦戦

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は1月5日、2009年通年の豪産牛肉全体(内臓を除く)の輸出量は35万6,567トンと前年比で2%減少したことを明らかにした。日本の景気後退にもかかわらず堅調さを維持したものの、豪ドル高やデフレの進行などを背景に収益面では厳しい1年となった。対日輸出量の内訳は、冷蔵穀物肥育牛肉は11万3,711トンと前年比10%増加した。穀物価格が落ち着きを見せたことと日本のスーパーなど小売業の需要が比較的好調だったことが主因とみられる。ただ、過去5年間の平均と比較すると依然として10%下回った。一方、冷凍牛肉は前年比8%減となった。日本の外食産業や食品加工業の不振が響いたもようだ。対日輸出量の減少が小幅にとどまったことについて、MLAは本紙の取材に対し「世界的な景気後退と先行き不安、豪ドルの下落からの急激な回復、日本経済の低迷といった要因を考えると、厳しい状況下で堅調な結果と言えるのではないか」と肯定的にとらえた。しかしながら、収益面では苦戦を認めた。現時点での最新の統計である昨年1月〜10月の対日輸出高は15億5,293万8,000豪ドルとなり、前年比で7%減少した。MLAによると、対円相場の激しい変動によって、日本の輸入業者にとっては長期的な展望を立てにくい混沌とした市場状況が生まれ、買い控え傾向が加速。下期の豪ドル高の加速により輸出側は利幅が急落し、日本の輸入側にとっても米ドル建て価格が上昇、双方にとって困難な状況になった。また、日本の需要サイドでは、「デフレの進行によって低価格部位に人気が集中したほか、牛肉よりも安価な食肉に移行するというトレンドが顕著になった」という。こうした傾向は、日本の景気の上向きが認められるまで続く可能性があると警戒している。MLAは2010年、日本市場で「官民一体となって取り組んでいるトレーサビリティー・品質保証プログラムをさらに訴求していくとともに、牛肉の栄養価や健康増進効果についても広く啓蒙活動を行っていく」としている。来年度の輸出見通しについては1月末に発表する予定だ。牛肉は日本向け豪農業輸出の主力商品。日本は牛海綿状脳症(BSE)発症が確認された米国産牛肉の輸入を2003年末に禁止したため、豪産牛肉は輸出を大幅に伸ばした。現在でも、日本の牛肉消費量の半分近くは豪州産で、輸入牛肉市場では圧倒的なシェアを占める。

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