豪州が世界一の牛肉輸出大国に 価格も好調の見通し

豪州は今年、世界第1位の牛肉輸出国になる可能性があることが分かった。豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、豪州の今年1月〜8月までの牛肉輸出量は、牛肉輸出大手の米国とブラジルを抜いたもようだ。両国は国内需要の増加などで輸出が減少している。一方、牛肉価格も高値で安定するとみられており、豪州の牛肉産業に明るい見通しが広がっている。【NNA豪州編集部】

MLAによると、今年1月〜8月までの豪州の牛肉輸出量(船積み重量)は61 万1,605 トン。一方、米国とブラジルの輸出量はそれぞれ59 万2,588 トン、53 万5,727 トンだった。この量は月別冷蔵・冷凍牛肉と子牛肉のみが含まれる。

米国で輸出が伸び悩んでいる背景には、国内の干ばつにより若齢で解体される牛の頭数が増加していることなどがある。またブラジルでは、中流階級の増加やレアル通貨高により輸出向けが減少しているためだ。

昨年はブラジルが最大の牛肉輸出国で95万1,225トン。次いで豪州は92万2,833トンだった。ただ昨年、豪州は総牛肉生産量の64.8%が輸出向けだったが、ブラジルは輸出向けが20%(生鮮肉を含む)だった。米国も例年10%のみが輸出向けだ。

■世界の牛肉価格は安定

一方、世界の牛肉価格は高価格を維持しており、今後も見通しは明るいようだ。

その背景の1つに米国が国内の干ばつを受け、若齢で牛を解体しており、米国内でハンバーガー用の牛肉が不足するとみられていることがある。それに伴い、冬に向けて価格が上昇傾向にある。

また豪州国内では群れの再構築を行うため出荷頭数が減少。クイーンズランド州では昨年より20%高い価格で輸出向け牛肉用の頭数を確保しているようだ。

さらにパラグアイで口蹄(こうてい)疫が発生し、ロシア市場へ輸出することができないため、ロシアは豪州を含む他国からの輸入で牛肉クオータを満たそうとしている。8月時点では年末までのクオータのうち31%がまだ満たされていなかった。ロシアが輸入を拡大させたことで、9月の豪州からのロシア向け輸出は7,000トン近くに上り、前月比で約30%増加した。

年末までにロシアで通関手続きを済ませるためには、豪州では今月中旬までに船積みし、出発する必要がある。そのため、ロシアからの需要が影響していた牛の競売価格は、数週間後には影響がなくなるようだ。ただ競売価格への影響は米国向け価格の改
善と米国からの輸入ひき肉需要の増加で相殺されるとみられている。

■MLA収益、売上高2.6%減

今年は豪ドル高や不安定な世界経済、インドネシアへの生体牛輸出停止など、豪州の牛肉輸出には厳しい状況が続いていた。MLAはこのほど2010/11年度(10 年7月〜11 年6月)決算を発表し、利益は90 万豪ドル(約7,300 万円)で、売上高は前年度比2.6%減の1億6,740 万豪ドルだったことを明らかにした。新しい市場への輸入が増加したことが功績だったという。

経費は前年度比2.5%減の1億6,650万豪ドルで、内訳は研究開発(R&D)に7,610 万豪ドル、マーケティングに9,040 万豪ドルだった。

関連記事

アーカイブ

ウェルスのトリビア

ソラマメが過去最大の豊作を記録しました。しかし、ここ1カ月の価格は上昇しています。なぜでしょうか ?(答えは記事中に)

ページ上部へ戻る