羊のICタグ、VIC州が導入へ

欧州市場拡大の鍵
羊生産業界内の間で、輸出用の羊にICタグを導入すべきとの声が広がっている。主な輸出先である欧州市場は食肉の適切な処理を求めており、ICタグ(RFID)の導入により流通経路が透明化し、豪州からの羊肉輸出が拡大すると見込まれる。ビクトリア(VIC)州では全国に先駆けてICタグが導入される予定となっている。ただ業界からは全国で足並みをそろえるべきとの声も上がっている。
豪肉輸出大手のJBSのチャップマン・家畜マネジャーはこのほどVIC州で行われたVIC州家畜競売協会(LSAV)の会議で、食肉流通の透明性を確保するために電子タグの必要性を訴えた。
英小売り大手のテスコはミュールジング(羊への寄生虫を防ぐため、子羊の陰部の皮膚と肉を切り取ること)されていないラム(子羊)肉を要望している。そのため、JBSではすでに供給者と協力してこうした基準に合致するプログラムを実施している。ICタグの導入により、羊の輸出業者が世界の消費者の要求を満たすことが可能になるという。
過去15年で豪州のラム肉輸出は15%から40%に増加。欧州へ供給するニュージーランドが輸出配当を満たせないことから、豪州には欧州市場への輸出拡大ができるチャンスが広がっている。
欧州ではすでに羊やヤギ、馬、ロバ、ペットなどに農場管理を目的にICタグが導入されている。さらに牛のICタグシステムへの任意参加も行われていくとみられる。
■VIC州政府は支持
VIC州のワルシュ農業・食料安全保障相はこのほど、羊やヤギの賠償金の基金から50万豪ドル(約4,060万円)を同州内の競売所でICタグシステムの導入に拠出することを約束。「食肉流通の透明性の維持や市場へのアクセスのしやすさ、生産性の向上などの改善が見込める」として、ICタグが普及している牛生産業と同様のシステムを導入すると語った。
同州政府はすでにICタグを販売しているシアウェル・オーストラリアと、ICタグ1つを90セントで生産者に販売する契約を結んだとしている。
■国全体での導入必要
業界には、各州で羊へのICタグが導入される前に国からの承認が必要との見方が広がっている。豪羊肉協議会(SCA)のジョセフ代表は、羊生産業は全国レベルで広がっており、州ごとに導入すると州をまたいだ取引で支障が生じる可能性があると指摘している。さらにICタグの導入以前に、タグの未着装や誤着、不完全な取引などの改善も必要という。
また一部の生産者からは、現在使用されている普通のタグからICタグに変更するためには、生産者にとって経済的利益がないと難しいとの声も上がっている。地元各紙が伝えた。

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