牛肉の質向上へ、遺伝子解析技術が実用化

豪州の牛肉協同組合研究センター(BCRC)はこのほど、畜産の繁殖で利用されている推定育種価(EBV)の精度を向上させるための遺伝子検査技術が、来年5月より利用可能になることを明らかにした。国内の畜産業では今後、肉牛の繁殖率や飼料転換効率、肉の柔らかさなどの遺伝的能力の選定が可能となる見込み。ランドが伝えた。

繁殖業者は、家畜の毛1本を繁殖協会か研究所に送付するだけで分析を受けられることになる。分析後に遺伝子情報が遺伝的評価システムのブリードプランに送られ、血統などほかの情報と合致させられる。その後、繁殖業者は従来と同様にEBVを受け取るが、従来よりも精度が向上しているという。

BCRCのゴダード上級研究員は、遺伝子検査に米遺伝子チップ製造イルミナの「700Kチップ」を使用して行われており、今後数カ月でその精度を改善していく予定。700Kチップでは、遺伝ゲノム1つからSNP(一塩基多型)のデータ70万個を分析するとみられる。バロウ最高研究員によると、特にブリードプランに若牛の情報を盛り込むことができ、牛の能力を予測するのに役立つ。

シャロレー種を繁殖している豪州シャロレー協会のファレル・マネジャーは、豪州の畜産業は国際的に競争力を培うことが可能になるとみている。「現在の検査は精度が思わしくないものもあった。新しい遺伝子検査を用いることで、肉の柔らかさや味を決定するために利用することができる」としている。

■羊でも遺伝子検査が可能に

羊肉協同組合研究センター(SCRC)によると、商業的な遺伝子検査が来年から利用可能になる見通しだ。脂肪分の多い羊毛重量のほか、繊維の直径や強さなどを予測する際の精度が5~15%改善されるという。さらに従来の技術では予測しにくかった、寄生虫への耐性や肉収量の向上などの傾向を予測することが可能となる。

SCRCが行った検査では、5万個のSNPチップの分析に200万豪ドル(約1億6,000万円)の費用がかかっているが、技術開発が進めば、費用も低下するとみられている。

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