羊肉の生産・輸出見通しは良好、昨年は中国向けが35%増

豪州の今年の羊肉生産と輸出は良好な見通しだ。豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は6日に発表した「豪州の羊生産業予測:改正版(MLAAustralian sheep industry projections 2012 mid-season update)」の中で、ラム(子羊)肉生産量は前年比6.4%増の42万4,000トン(枝肉重量)に上ると予測している。またラム肉輸出量は、特に米国と中東、中国から需要が増加することを背景に、同7.2%増の17万2,000トン(船積み重量)となる見通しだ。【NNA豪州編集部】

MLAによると、マトン(成羊肉)の生産量は同4.1%増の11万8,000トン(枝肉重量)、輸出量は同4.1%増の8万5,600トン(船積み重量)になる見通し。マトンの大半は輸出向けで、中東が最大の輸出先だ。

生体羊の輸出量は同5.8%増の260万頭と予測している。中東向けが大半で、3月から施行される輸出サプライチェーン保証システム(ESCAS)の導入によって輸出量に影響が出るとみられる。生体羊輸出の84%を占めるクウェートとカタール、バーレーン、トルコでまず導入される予定だ。

またラム肉輸出に関しては、大きな輸出先である米国と中東、中国で輸出量が同6~11%増加する見通し。中でも中国は2大輸出先の米国と中東に追いつく可能性もある。MLAのマクレー主任エコノミストは、「どの国が最大の輸出先になるかは、3国間での競争になる」としている。また輸出量増加が価格上昇にもつながるようだ。

■東南アジア・中国向け15%増

昨年の東南アジア・中国向けラム(子羊)肉輸出が過去最高に達した。一方、日本へのラム肉輸出は、マトンを好む傾向から減少している。

東南アジア・中国向けは前年比15%増の3万8,482トン(船積み重量、以下同)で、内訳は◆中国:同35%増の2万1,234トン◆タイ:同25%増の595トン◆マレーシア:同20%増の5,359トン◆シンガポール:同14%増の1,803トン◆台湾:同5%増の2,126トン◆インドネシア:同8%増の719トン――とそれぞれ増加した。一方、香港は同23%減の6,210トンだった。

MLAのバーケット・アナリストは、大半が中国向けの背景には、所得増加や中流階級の拡大、西洋式の食事の増加、伝統的に鍋料理で使用することなどがあるとしている。

日本へのラム肉輸出量は同4%減の7,381トン。冷蔵肉が同8%減少したことが影響した。同アナリストは「高いラム肉価格と厳しい経済状況が輸入減につながった。またラム肉需要の高い東北部は昨年震災もあった」とコメントしている。一方、マトンの輸出量は同19%増の4,505トンだった。

ラム肉輸出全体は同3%増の16万トン、マトン輸出量全体は同17%減の8万2,200トンだった。生体羊輸出は同17%減の245万8,000頭だった。

また昨年の豪州国内ラム肉消費量は、生産量の51.5%を占める。販売元の割合は、ウールワースが29.9%、肉屋が28.3%、コールズが21.3%だった。

■EU向けの割当量増加せず

豪州は昨年、ラム肉輸出割当量の99%を欧州連合(EU)に輸出しているにもかかわらず、割当量の増加はまだ見込めないようだ。一方、ニュージーランド(NZ)は割当量の18%しか満たせなかった。

豪州の割当量は1万9,186トンで、輸出量は1万9,025トンだった。昨年は割当量が400トン微増したのにとどまる。NZは22万7,854トンの割当量があるものの、2年続けて割当量を満たすことができなかった。2010年春の吹雪により約100万頭の子羊が壊滅したことが主因のようだ。

このほか、アルゼンチンは割当量2万3,000トンのうち18%、チリとウルグアイはそれぞれの割当量6,000トンのうち80~86%を満たしたようだ。

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