羊の生体輸出は中東に依存、WA州政府が警告

西オーストラリア(WA)州の農業・食糧省はこのほど、中東向けの羊の生体輸出に依存している業界に関して、生体輸出が禁止された場合の分析報告書を発表した。21日付ファーム・ウィークリーが報じた。

同省は、業界のサプライチェーンに関して、◆生産・加工◆卸し・小売り◆輸出――の3要素について分析した。報告書によれば、州内の羊の37%が生体輸出されているため、近年、飼育頭数が減少傾向にあるという。残り36.4%は輸出用に冷凍加工され、26.6%は国内で消費されている。ただ、生体輸出される羊の数は、ピークに達していた1993/94年の450万頭から現在は210万頭に低下。このうち93%が中東向けに出荷されているほか、冷凍羊肉においても36%が中東地域に輸出されているという。

同報告書は、羊の生体輸出が完全に廃止された場合、冷凍加工が占める割合が70.2%に上昇するとともに、国内向けが29.8%に増え、生体輸出の減少分を相殺すると予測。また、冷凍羊肉の輸出先についても、中東市場のシェアが現在の36%から62%に増えると分析した。

ただし中東地域では、冷凍羊肉を輸入するよりも、生体羊を輸入して自国で食肉解体し、生鮮市場で販売することが好まれるため、冷凍羊肉の需要が生体輸出の減少分を補てんするかどうかは確実ではないという。需要が低迷した場合、価格は10~12%低下すると予想された。

報告書はほかにも、業界にとって脅威となる要因として、◆動物愛護団体からの動物福祉に関する圧力の増加◆北アフリカなど、ほかの生体輸出国との競争◆豪ドル高――を挙げたほか、羊の生産農家がより高い利益を得られるほかの農産品に切り替えているため、州内の羊の頭数がさらに減少する可能性を指摘している。
しかし、羊肉輸出を手掛けるフレッチャーズ・インターナショナルのナリカップ地域担当部長のクロス氏は、生体輸出が停止した場合に、州内の農家が厳しい経済負担に苦しむとの見方を否定している。羊の生体輸出は過去1年間にすでに大きく減少しているほか、世界的に赤肉に対する需要は伸び続けるとし、今後も需要が供給を上回って推移するとの見解を示した。

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