1~5月のラム肉輸出、過去最高。冬季は供給が先細りか

豪州のラム(子羊)肉輸出が好調である一方、冬季の子羊市場には慎重な見方が広がっている。1~5月までのラム肉輸出量は7万2,600トンで、最初の5カ月としては過去最高を達成した。5月のラム肉輸出量も月としては2番目に多い輸出量となった。初めの5カ月に出荷した羊の頭数が多いため、今後は供給量が減少するとの見方もあるが、どれだけの量のラム肉が供給されるかは定かではなく、業界では様々な憶測が広まっている。【ウェルス編集部】

豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、5月のラム肉輸出量は1万7,182トンで、昨年よりも20%増加した。輸出量増加には、生産量の増加が関係している。MLAのバーカー羊肉アナリストによると、東部州のと殺数は5月末で昨年同時期と比較して約80万頭多かったという。最近の輸出量増加には、豪ドル下落の影響は少なかったものの、6月の輸出量には影響がみられるもよう。

ただ1頭当たりの輸出価格は低迷しており、枝肉重量が1キロ当たり4豪ドル(約310円)を切っている。MLA傘下の全国家畜情報サービス(NLRS)によれば、大半のラム肉が同3.4~3.9豪ドル(枝肉重量)で販売されており、安いものでは同3.2豪ドルで販売されているという。供給が需要を上回っているために、価格がラム肉市場のけん引力とはなっていないようだ。

冬季の子羊市場については、業界関係者の間で様々な見方が示されている。ニューサウスウェールズ(NSW)州で農業サービスを手掛けるローリンソン&ブラウンのブラディ氏は、今後供給頭数が先細るとみられるため、子羊市場は回復すると予想している。

またビクトリア(VIC)州の農業サービス、エリス・ヌッタルのストラットン氏は、子羊の頭数はまだ多くいるとの見方を示している。ただ、生産者は迅速に子羊の売却を進めている。6月の第1週にはVIC州中部ベンディゴで約3万頭の子羊が売却された。

このほか競売業者マッキーン・マックグレゴーのレア氏は、先週の3連休後から子羊の競売頭数が減少すると予想している。ただ、年度末が迫っており、生産者が6月末か7月初めの売却を目指していることなどから、市場が変動する可能性もある。

また母乳で育った子羊(Sucker lamb)の競売が早期に開始できると考えられていたものの、NSW州中南部グリフィスでは降雨により通常よりも2週間ほど早くなる程度のようだ。バイヤーからは、NSW州の一部で子羊の供給が早まるとみられており、来シーズンの子羊が供給される前に成熟した子羊をプレミアム価格で販売していた生産者に影響するとみられていた。

■予防接種で口蹄疫発生に対応へ

豪農林水産省はこのほど、家畜の口蹄疫(Foot and mouth disease)発生のための予防接種に関する国策を策定したと明らかにした。豪農林水産省のメラー副長官は、「予防接種を口蹄疫発生の最後の切り札にするのではなく、豪州は口蹄疫が侵入した場合、予防接種を応答戦略として、その潜在的な役割を考えていく必要がある」とコメントしている。

同省は現在、どういった状況下で予防接種がよい選択肢となるかを検討している。豪州は口蹄疫が発生していない国の一つで、口蹄疫が発生した場合、家畜産業には160億豪ドルの打撃が出ると予測されている。

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