世界の牛肉消費が縮小傾向、豪州の肉牛頭数は増加へ

豪州の牛肉生産業者が増産を進める中、牛肉やラム(子羊)肉の消費が世界的に縮小傾向にあるようだ。豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)はこのほど、「豪州の牛生産業予測・中間改訂」を発表し、日本と韓国向けが需要の伸び悩みで輸出量が落ち込む見通しを示している。日本市場では、米国産の流入や国内生産量の増加で、豪州産牛肉は厳しい状況に立たされているようだ。【ウェルス編集部】

MLAは、国内の肉牛頭数が2015年まで増加を続けると予測。MLAのマクラエ主任エコノミストは一方で、国内外の需要が伸び悩み、消費者が価格の高い牛肉から、低価格の鶏肉や豚肉に移行しつつあると指摘している。

輸出に関しては、牛肉と子牛肉で今年96万トンになると予測されている。11年と比べて1%増であるものの、1月の予測時よりは1万5,000トン下方修正した。13年は肉牛頭数の増加がけん引し、輸出量が前年比3.6%増の99万5,000トンになると予測している。

日本向けは、1月の予測より5,000トン少ない32万5,000トンになる見通し。背景には、震災があった2011年よりも豪州産牛肉の需要が少なくなっていることに加え、米国産牛肉の流入増加と日本国内生産量の増加がある。今年1~6月の日本向け輸出は前年同期比10%減の15万868トンと、03年以降で最低水準となっている。日本の牛肉輸入量は今年初めの5カ月で年前同期比5%減となり、特に豪州産が減少している。

12年の韓国向けの牛肉と子牛肉の輸出量は、当初の予想の15%減を大きく下回る28%減の10万5,000トンとなる見込み。韓国向け輸出は昨年、14万6,347トンと過去最高水準に達している。

豪州国内では、経済低迷に伴い小売りが伸び悩んでいることから、通年の国内販売は、これまでの予想通り74万トンと前年実績をわずかに上回る見通し。

■干ばつの米国向けは増加へ

一方、干ばつに見舞われている米国向けの輸出量は、09年来の最高になるもようだ。上半期の米国向け輸出量は前年同期比46%増の11万8,120トンで、通年では25万トンになる見通しだ。1960年代以降最低だった11年の16万8,000トンに比べると、飛躍的に伸びることになる。米国向けの伸びで、日本と韓国への輸出減少が相殺される形だ。

同エコノミストは、米国では向こう2年でさらに牛肉生産量が減少し、14年には牛肉の純輸入国になる可能性を指摘している。米国は10年から牛肉の純輸出国となっている。国内生産量の落ち込みを補うために、米国は12年に前年度比20%、13年には同6%それぞれ牛肉輸入量を増加させるとみられている。

また英国拠点のコンサルティング会社ギラのブラウン氏は、穀物価格の急上昇で米国の牛肉産業が荒廃するとの見方を示している。また穀物価格は今後も相当上昇する可能性があり、米国の畜産業にとっては厳しい状況になると指摘している。

関連記事

アーカイブ

ウェルスのトリビア

小売り大手ウールワースが、ある事業の分離・上場を計画しています。それは何の事業でしょうか ?(答えは記事中に)

ページ上部へ戻る