インドネシア、豪産牛を狙い撃ちか 輸入規制をさらに強化

インドネシアが豪州産の生体牛輸入に対して輸入税を導入したことや豪州との繁殖牛輸入での認識の相違で、両国間の関係にさらなるあつれきが生じている。ただ、インドネシアは豪州からの生体牛輸入割当量を削減したことで、牛肉供給不足とそれに伴う価格の急上昇に直面している。一方、豪州の畜産業では輸出先を失い、収益を上げられないでいる。【ウェルス編集部】

豪州からインドネシア向けの繁殖牛輸出が停止しているもようだ。13日付オーストラリアンによると、少なくとも輸出業者1社の輸出が停止されているほか、両国間の議論が解決するまでは豪州からの繁殖牛輸出はないとの見方もある。現在、両国の代表による協議が進められているもよう。議論が解決しない場合、豪州の生体牛産業にとってはさらに輸出量が10%削減されることになる。

背景には、インドネシア政府が先月導入したと殺向けの豪州の生体牛を対象とした5%の輸入税について、繁殖牛にも適応すべきか否かをめぐり、輸出入業者と、インドネシアの税関で意見が割れていることがある。
また北部準州畜産農家協会(NTCA)のボーエン最高責任者は、インドネシア政府が、繁殖向けの牛1頭1頭に対し、血統証明書を要求してきていると説明。こうした血統情報は通常、種牛にしか要求されず、高価なDNA試験なしには得ることが難しいようだ。

農業大手エルダーズ傘下の輸出業者ノース・オーストラリアン・キャトル・カンパニー(NACC)によると、輸出許可を得ることができなかったために、13日にインドネシアに到着した2,000頭の繁殖牛は、当局に押さえられているほか、ほかの約500 頭はダーウィン周辺に取り残されているもよう。NACCのジェームズ・マネジャーは、数万頭の牛を放牧している場合、雄牛と雌牛の組み合せを知ることは不可能であり、インドネシア側の要求を満たすの
は極めて困難としている。

一方、豪農林水産省(DAFF)は、インドネシア政府が要求している情報の変更について認識していないと文書で明らかにした。また豪州政府はインドネシア向け繁殖牛の血統証明を行わず、あくまでも商業的な問題としている。

愛国主義で豪州は輸出拡大困難か

インドネシアが、豪州からの生体牛輸入割当量を削減している。その理由として、2014年までに牛肉の完全自給化を目指す一環としているが、豪州が生体牛輸出を停止したことが発端となったのは明らかだ。ただ、輸入割当量の削減により価格が高騰したことで、インドネシア国内の農家が繁殖用牛までも販売し、国内の肉牛頭数減少に影響しているようだ。
インドネシア肉牛生産者協会(APFINDO)は、牛肉の完全自給化政策が、マレーシアを経由したインド産の安い箱詰めされた牛肉の違法流入をもたらしたと指摘している。

豪政府が長期的な食糧政策についてまとめた「全国食糧計画グリーンぺーパー(試案)」では、アジアの中流階級の拡大による豪州の生産者の輸出機会に焦点が当てられている。ただ、APFINDOは、インドネシア政府の愛国主義などのため、豪州の生産者にさ
らに輸出の機会が与えられることは難しいのではないかと言及している。

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