豪州産牛肉の日本輸出、20%減少 米国産が巻き返し

豪州産牛肉が最大の輸出先である日本市場で苦戦し始めた。今年9月には2003年12月以降2番目に少ない輸出量を記録した。日本市場での米国産牛肉の巻き返しによるものとみられる。日本は来年初めにも米国産牛肉の輸入規制緩和を行う見通しで、豪州の畜産業にとって至難の時に来ている。【ウェルス編集部】

豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、9月の日本向け牛肉輸出量は前月比20%減の2万2,647トン(船積み重量、以下同)だった。前年同月比は20%減。特に減少したのは冷凍牛肉で、前年同月比25%減の1万2,592トンだった。冷蔵牛肉は同13%減の1万56トン。
2003年12月以降では、今年1月に次ぐ輸出量の低さとなった。日本のプリオン専門調査会が米国産の輸入緩和を容認したことなどが響いた。ただ、国産の和牛生産量が増加し、小売りで特売品として販売されたことから、輸入牛肉の販売は低調だった。

10日付ウィークリー・タイムズによると、MLAのメラニー・ブロック駐日代表は、9月の豪州産輸出量の減少を予想していなかったと説明。「豪ドル高の緩和と9月末から10月にかけては季節的に供給量が多くなるので、月2万6,000~2万8,000トンに戻るとみられる。11月は日本向け輸出が年間を通じて一番多い月だ」と述べ、今後また9月のような月があるとは考えにくいとの見方を示した。
またMLAの担当者はウェルス編集部に対し「日本の消費者には引き続き豪州産牛肉の安全性を発信するとともに、牛肉の栄養価を伝え訴求していく」と語った。

豪州肉牛生産者協議会(CCA)のオギルビー代表は、米国が多大な努力をして日本市場シェアの再取得を行っていることを認識していると言及し、それが9月の統計に示されたと指摘。豪州の輸出業者とMLAはほかの市場に多角化していくことが極めて重要との見方を示した。
日本の8月の牛肉輸入量は22%増の5万7,315トンに達し、月としては2005年7月以来の最高となった。冷蔵牛肉、冷凍牛肉共に米国産輸入の増加が目立った。

米国と中国向けは好調

一方、9月の米国向け輸出は前月比6.5%増の1万7,854トンだった。前年同月比では42%増だった。また1~9月の米国向け輸出は16万9,800トンで、前年同期比で38%増加している。
昨年の米国向け輸出は、計16万7,000トンにとどまり20年ぶりの低迷となった。背景には、◆為替レートが思わしくなかったこと◆米国内でひき肉の供給が豊富だったこと◆経済状況の悪化で消費者が牛肉消費量が減少したことがある。
だが、以前の水準であるひき肉輸出量年35万トンまでは回復しないものの、今年に入り状況が好転したようだ。豪ドル高が和らいでいるほか、米国内での牛頭数削減傾向が終息したためだ。また米国はロシアやインドネシアに比べ、製造向け牛肉バイヤーは価格を気にしない傾向にある。

ほかに伸びが見込める輸出先は中国だ。中国本土への9月の輸出量は前月比158%増の4,060トンで、前年同期比では366%の伸びを記録している。香港を含めると、9月の輸出量は4,600トン。依然として量は少ないものの、今年1~9月の輸出量は前年同期比で倍増の9,746トンとなっている。

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