日本への豪州産牛肉輸出、来年は厳しい見通し

ラボバンクは27 日、オーストラリアの主要な箱入り牛肉の輸出市場に関する報告書を発表し、来年は日本や韓国への輸出が厳しくなる見通しを示した。一方、米国では50 年ぶりの大干ばつで、国内の供給が少なく、価格も高騰しているため、オーストラリアの生産者にとっては小〜中期的に輸出見通しが明るい市場だ。

日本市場では、米国産牛肉が市場シェアを獲得している。豪州産の日本向け輸出量は過去1年に7.5%減少したほか、5カ年平均より13%減少している。一方、米国産は昨年5%増加している。豪ドル高と米国の強力なマーケティング、価格に敏感な消費者の増加で、
競争力が低下し、需要が豪州産牛肉から移行している。

ただ、米国では来年、干ばつの継続度合いにより、牛肉生産量が3〜9%減少する見通しだ。少ない供給量と飼料コストの増加で、輸出に回せる牛肉量は限定的とみられる。

■韓国では韓牛が供給過剰

豪州産牛肉の韓国向け輸出は20%減少しているものの、2013 年の後半には若干回復する見通しだ。韓国では過去10 年、国内の肉牛頭数が200 万頭から72%増加し、350 万頭となっている。ラボバンクによると、韓国政府は肉牛過剰に対応するため、奨励金を支給して解体を促している。

ただ、政府の奨励金と肉牛価格の低下で、13 年に向け子牛の出産は減少する見通し。国内の生産が鈍化し始めれば、牛肉の輸入市場が再び活発化し、ラボバンクはこの時期を13 年後半とみている。

■米国向け加工肉は57%増

一方、米国向けは加工牛肉需要の増加で、昨年と比べて38%増加している。除菌のためにアンモニア処理をした加工肉が出回った「ピンクスライム」問題で、豪州産は需要を確保することができた。加工肉の輸出は昨年より57%増加した。ただ、過去3年平均と比べると、加工肉輸出量は13%しか増加していない。

また米国では干ばつにより、牧草が底を付いたことで解体にまわす量が増えるという憶測が広まったことで、頭数の減少が加速している。解体頭数は5カ年平均を上回っているが、肉牛よりも乳牛のと殺がけん引しているという。

米国では急上昇した飼料用穀物価格が、少なくとも13年前半まで続く上、牛肉生産量の減少で、国内産牛肉は高価格となる見通し。米国ではほぼすべての肉牛が穀物肥育のため、日本や韓国などの市場ではオーストラリアにとって機会が与えられることになるとみられる。

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