インドネシア生体牛禁輸で集団訴訟

オーストラリア北部の生体牛輸出業界が27日、2011年に当時のギラード政権が講じたインドネシア向けの生体牛禁輸措置で損害を受けたとして、連邦政府を相手取り補償を求める集団訴訟を連邦地裁に起こした。業界筋によると損害賠償請求額は10億豪ドル(約958億円)を超える見込みだ。各メディアが伝えた。

原告団は肉牛農家や関連業者に対して集団訴訟への参加を呼び掛けており、判決が下りるまでには数年かかる見通し。全国農業者連盟(NFF)や北部準州畜産農家協会(NTCA)は訴訟を歓迎。NFFのフィンレー代表は、目的は金銭的な補償はもちろん信頼の回復にあると指摘。NTCAは訴訟に参加していないが、参加を希望する加盟農家を支援している。

訴訟には、国内畜産大手コンソリデーティッド・パストラル・カンパニーとオーストラリアン・アグリカルチュラル・カンパニー(AACo)なども参加。同2社だけでも損害賠償請求額は1億8,000万豪ドルを超える見通しだ。

■禁輸「無効」か

発端は11年5月末に公共放送ABCが、インドネシアの食肉処理場で牛が非人道的な扱いを受けていると告発するドキュメンタリーを放映したことにある。生体牛輸出業界に世論が強く反発し、動物愛護団体やグリーンズ(緑の党)、一部労働党議員らが当時のギラード政権に対し生体牛の輸出差し止めを求めた。当時のラドウィグ農相は第一に、番組に登場した施設を含む基準を満たさない処理場12カ所への生体牛輸出を停止。その5日後に、第二の措置としてインドネシア向けの生体牛輸出を全て、最長6カ月間禁止すると発表した。実施された禁輸期間は1カ月だったが、その後雨季で牛を出荷できない状態が続いた。

問題となっているのはこの二番目の措置。第三者として訴訟内容を審査したロジャー・ガイルズ元連邦裁判事は「少なくとも連邦政府の法的責任を認めさせる可能性が高いと言える」と原告勝訴に楽観的な見方。二番目の措置については、あまりに不合理であることから政策として無効(invalid)になる可能性があるとしている。

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