オーストラリアではオンラインをプラットホームとしたサービスが話題になっていますが、レストラン予約のディミ(Dimmi)もその一つです。2009年の創業から6年間で国内2,800店の提携レストランを抱えるまでに成長しました。旅行の口コミ&ランキングサイトを運営する旅行ポータルサイト大手、トリップアドバイザーに昨年買収されたことで、今後シェアの一層の拡大が期待されます。【松村由佳】

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ディミは09年にスティーブン・プレムティコ最高経営責任者(CEO)が創業。同CEOが当時在住していた英ロンドンで、レストランの即時予約を可能にしたオンラインプラットホームが急速に拡大していた一方、オーストラリアでは同様のサービスが皆無だったことに着目し、オーストラリアで事業を立ち上げました。

ディミは予約を仲介する提携レストランからの手数料を収入源としています。予約人数一人当たり手数料は1~3豪ドル(1豪ドル=約84円)ですから、数を集めてこその商売ですが、新しいサービスだけに当初はレストランとの交渉が難題だったそうです。当時米国ではすでにレストラン利用客の半分は予約サイトを利用していたにもかかわらず、オーストラリアではその割合はわずか3%でした。国内のレストラン業者はIT面で遅れていたためで、同社はレストランとの連携確立を目指し、IT知識の啓蒙にも努めました。

■トリップアドバイザーによる買収

13年頃からアメリカやスペインを拠点とする大手ベンチャーキャピタル企業などから買収の打診がありましたが、小規模なディミに敵対的だったこれらの国際大手に対し、ディミの成長を視野に入れて交渉を持ちかけたトリップアドバイザーが自然と同社の選択肢となりました。

トリップアドバイザーのカウファーCEOは、ディミの吸収により、オーストラリアだけでなくアジア進出の足掛かりにしたいとしています。また、携帯端末を使って即時にホテル予約ができるプラットホームをオーストラリアで展開する計画もあるそうです。

■野心的な目標も実現に楽観的

創業以来予約数は毎年100%以上増加、昨年も前年比で160%増加しました。売上高は毎年40~50%拡大しています。レストラン予約の国内最大手として、国内の予約総数に占めるシェアは創業当時の3%から10%に伸びたものの、オーストラリアでは依然電話による予約が過半数を占めます。ただ、自社の事業拡大にとどまらず、国際プレイヤーである親会社のネットワークによって、同社の予約サイト訪問数は毎月3億7,500万件と提携レストランにとっても露出度は大きく拡大しました。

ディミは現在、トリップアドバイザーのレストラン部門に当たる欧州最大手のレストラン予約サイト「ザ・フォーク」に吸収された形ですが、国内での事業はこれまで通り継続しています。買収効果で知名度は確実に拡大し、今後2年間で市場シェアを25%に、提携レストラン数を3,500店に拡大する目標も前倒しで達成する勢いです。

レストラン側の課題でもあった連絡なしキャンセルについても今年、クレジットカードの事前登録による保証システムを導入し、採用したレストランではキャンセル率が4%から1%以下に減少。来年は、事前支払いを可能にするシステムを導入予定としています。

ディミは国内で斬新なアイデアを具現化した新興企業として、サービス産業の成長に期待を寄せるオーストラリア経済にとって模範的なビジネスモデルとなることでしょう。

<会社概要>
【ディミ(Dimmi)】
本拠:シドニー
主要人物:プレムティコCEO
主要事業:レストラン予約
従業員:約25人

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