第5回 シドニー最古のトラム倉庫で最新レストラン?

レジデンシャルや商業ビルのデベロッパーであるマーバック・グループ(Mirvac Group)がシドニーのダーリングハーバーからさらに西のフォレスト・ロッジに昨年オープンしたのが、トラムシェッズ・ハロルド・パークです。1904年に建設されたトラムの倉庫だった場所を改装し、開放的でおしゃれな空間へと変身させました。レストランやスーパーマーケット、ヘアサロンまで約18店舗を備えたこの複合施設は、住宅街にも関わらず朝から夜まで食事を楽しむ人で賑(にぎ)わっています。

人気の秘密は、歴史的な建造物の中にモダンなレストランが配置され、吹き抜けの天井、仕切りのないオープンスペース、常に人の声でがやがやしているのになぜか落ち着くという不思議な雰囲気にあります。

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ダストのピザ(Tomato, Buffalo mozzarella & basil、18豪ドル)

 

その一角に店を構えるのが、「小麦ストーンミル」が併設されているブレッドショップ・ピザレストラン「ダスト(DUST)」。その石臼で一週間に一度穀物をひき、店内で販売するパンやピザ生地に使用します。全粒粉に含まれる食物繊維や鉄分、ビタミンB1などの栄養素を保持できるとの理由で、石臼でひくことに拘(こだわ)っているそうです。

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ダストご自慢の小麦ストーンミル

 

使用される穀物は全てニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州産で、数少ないオーストラリアの有機農家から直接仕入れた「プリ・モダン(Pre-Modern)」。穀物の大量生産を達成を目的に、高収量品種の導入や化学肥料の大量投入などで穀物の生産性を飛躍的に向上させた「緑の革命」が起こる以前に使用されていたものです。

薪釜オーブンで焼く全粒粉生地のピザは、全粒粉独特のにおいや硬くぼさぼさな生地ではなく、弾力があるもちもち感がある一方、とてもライトで一枚食べても胃もたれしません。

友人や家族とランチから夜までまったり長居したくなる、そんな空間です。

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重厚感あるトラムシェッズ・ハロルド・パークの外観

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