第13回 まだ認知度が低いCSR

企業のウェブサイトなどでよく目にするようになったCSR(Corporate Social Responsibility)という単語。日本語では「企業の社会的責任」と訳されている。以前は企業倫理や法令を守ること(コンプライアンス)が企業の責任とされてきたものの、CSRでは社会的な公平さや環境への配慮など、あらゆるステークホルダーに適切な対応をすることを目指している。

豪州の新聞に、CSRに関する面白い調査結果が載っていた。2,006人の豪州人を対象にした同調査では、CSRの意味を知っていたのは14%のみだったという。

CSRの意味を説明したところ、94%の回答者が「企業はCSRを取り入れるべき」とし、75%が「企業は収益パフォーマンスに左右されることなく、CSRを維持すべき」と考えている。ただ、CSRの費用を払いたいと考えている人は少ない。35%が「CSRのコストを消費者に転嫁すべきでない」とし、44%が「消費者にはCSRに貢献したいかどうかの選択肢が必要」と考えていることが分かった。

また、家庭の支出である電気とガス、水道、インターネット、携帯電話について調べたところ、これらの供給会社に年173豪ドル(約1万4,000円)をCSRの費用として支払いたいと思っているとの回答も得られた。支払い先は電力が最大で38.82豪ドル、最低が携帯電話の28.60豪ドルだ。

豪州人が好むCSRの投資先は、海外での児童労働の廃止(41%)や絶滅危惧種の保護(40%)、自然保護(39%)など。一方、従業員によるボランティア活動や地域コミュニティーのスポンサー、チャリティーへの寄付はあまり好まれていない。調査によると、豪州人はこれらに関心がないのではなく、企業よりも個人の責任として捉えられているようだ。

日本では、就職活動の際、企業がCSRに力を入れているかどうかを重視する学生も増えているという話を聞く。今やCSRは、企業の在り方を示すシンボルのような存在になりつつある。これが今後豪州でも広がっていくだろうか。

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