第14回 露天堀炭鉱跡の使い道

資源開発が豪州各地で行われていることは連日、テレビや新聞を通じて知ることができる。さて開発が終了し、跡地は果たしてどう利用されているのか。水事業を行う仏ヴェオリアによるゴミ処理施設としての面白い利用方法を紹介したい。

ヴェオリアはニューサウスウェールズ州南部で、露天掘炭鉱跡をゴミの埋立地として利用している。同炭鉱跡は、1970年代~90年代まで銅や鉛、亜鉛などの卑鉄金属を採掘していた。周りに広がる農場の間に大きく空いた穴といった印象だ。

埋められているゴミはなんと約250キロメートルも離れたシドニーの北部地域から貨物列車で輸送されている。ヴェオリア曰く、トラックで運ぶよりも””環境にやさしい””そうだ。なぜもっとシドニーの近くで埋め立てないのかと疑問に思うかもしれないが、シドニー近郊の既存の埋立地は、10年ほどで一杯になってしまうことが背景にはあるようだ。日本人からすると、こんなに土地があるのに、と思ってしまうが……。

またヴェオリアはゴミの埋め立てによって発生するバイオガスを回収し、発電している。ゴミを発電源としたエコな発電方法のひとつだ。年間、19万2,500トン相当の二酸化炭素(CO2)を大気に放出せずに済んでいる上に、最大で2万戸の家庭使用量に相当する20メガワットを発電することが可能という。

ただ、研究者の間には、バイオガスを発生させるには、次から次へとゴミが必要で、環境の改善には貢献していないとの批判もある。今後ゴミ埋立地として40~50年使用できるとされているが、日々ゴミが運び込まれ、穴は埋められつつある。

またヴェオリアは炭鉱周辺で風力発電や水産養殖、園芸農業も行っている。炭鉱跡の有効利用としてヴェオリアのような取り組みは、今後ほかの炭鉱にも広がっていくかもしれない。

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