第7回 カンガルーVS家畜

豪州でカンガルーと家畜は農地においてライバル関係にあるようだ。家畜でも特に羊の放牧が行われている地域で、カンガルーの頭数も多いようで、カンガルーとの餌奪い合いが羊の成育に与える影響については多くの研究が進められている。

ある研究では、カンガルーのみ、羊のみ、カンガルーと羊混合2カ所の計4カ所の試験農地を作り、胃の内容物で何をどれだけ食べたかを測定した。

その結果、カンガルーは枝や固い草よりも、やわらかい牧草を好む傾向であることが分かった。その傾向が顕著になるときは干ばつ時。餌となる牧草が減少している中、カンガルーは羊よりも牧草を食べる傾向にある。羊は干ばつの早い時期から固い草や枝の摂取量を増やすようだ。

羊の摂取物の変化は生産性低下にもつながり、農家にとっては痛手だ。カンガルーと羊の混合試験農地では、羊のみの場合と比較して羊の体重や羊毛の成長が低下したという。ただカンガルーと羊の餌の重なり合いは約50〜70%で、干ばつ時以外は餌の奪い合いはあまりないようだ。

ちなみに一部の種類のカンガルーの生息数は欧州から白人が渡来し、農業が盛えたことで増えた。各地に農地を拡大させることは、つまりカンガルーの好む草を増やし、水飲み場を提供していることになる。家畜用に整えられた農場はカンガルーに格好の餌場。これはまるでいたちごっこのような状態といっても過言ではないかもしれない。

広い農地で仲良く牧草を食べればいいのではないか、と頭では思ってしまうが、干ばつで家畜の餌が不足ぎみの時は特にカンガルーは煙たがられる存在のようだ。

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