第17回 都市での蜂蜜生産

世界の都市では近年、養蜂業が拡大している。普段、都市の中でミツバチのことを考えることは稀だが、都市での養蜂は面白く、都市の緑を改善するためにとても将来性のある取り組みだと思われる。
少し前の新聞記事で、メルボルンの高級ホテル「リアルト」で行われている蜂蜜生産の取り組みが紹介されていた。リアルトは生産されたオーガニックの蜂蜜をゲストの朝食のほか、ギフト用の容器に入れて提供している。

同ホテルでミツバチの巣を管理するフェンロン氏は、7年前にミツバチの巣を管理し蜂蜜を生産する会社「アーバン・ハニー」を設立。蜂蜜生産のネットワーク構築を目標に、現在までに、メルボルンの中心街から5キロ以内の場所にミツバチの巣41個を設置。同社では蜂蜜のほかに、リップクリームや家具用ツヤ出しワックスを販売している。

また都市にハチを呼び戻すために活動する「メルボルン・シティー・ルーフトップ・ハニー」では、蜂蜜生産を行いたい人は同団体を利用してミツバチの巣のスポンサーになるか、引き取ることができる。メンテナンス代や土地利用代を含め年間250豪ドル(約2万2,000円)で養蜂が可能という。巣1つに付き1シーズンで約30キロの蜂蜜が取れるようだ。

■日本でも広まる養蜂

さて世界でも有数の大都会である東京の中心でも養蜂が行われている。数年前から各メディアで取り上げられているため、ご存知の方も多いと思うが、「銀座ミツバチプロジェクト」は、銀座にあるビルの屋上で蜂蜜を生産している。筆者も新聞などでデパートで販売されている蜂蜜の小瓶の写真を見て、つくづく「都市で生産できる食材の一つ」と感じたほどだ。

同団体のウェブサイトによると、近くには皇居や浜離宮、日比谷公園などまとまった緑があり、ソメイヨシノやマロニエ、ユリノキなどフレーバーな蜂蜜が採れているという。2007年にはミツバチの数が15万匹を越え、3カ月で蜂蜜260キロが採れたようだ。

養蜂の副産物としては、ハチによる受粉で都会にある木々の花の咲きがよくなったということも耳にする。ミツバチは蜂蜜を生産するだけでなく、都市の緑にも大きく貢献している。ロンドンやニューヨークなどの世界の主要な都市でも盛んになっている養蜂。各都市でどれほど養蜂が広がっていくのか今後が楽しみだ。

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