第21回 フェアトレードの課題

途上国の生産者支援につながるフェアトレード。「生産者に仕事の機会提供」や「公平な対価の支払い」、「児童労働の排除」、「環境配慮」など包括的な意味合いを多く含んでいる。ただ、フェアトレードには課題もある。

まず「フェアトレード」の定義があいまいなことがある。基準はあるものの、独自にフェアトレードと称して販売している団体は多い。国際機関の国際フェアトレードラベル機構(FLO)が基準を設け、ラベル認証を実施している。ただ、すべてのフェアトレード商品にラベルが付けられている訳ではない。

欧州ではラベルが付いた商品が多いようだが、その背景には基準が設定しやすいコーヒーや紅茶、バナナなどの食品が多いことがある。日本ではラベルに根強い反対の声があるようだが、それは日本のフェアトレード商品には手工芸品などラベルが付けにくいものが多いことがある。そのため、ラベルを付けることがフェアトレードの本意ではないという。

ただしフェアトレード団体などが加盟する世界フェアトレード機関(WFTO)があり、個々のフェアトレード団体がラベルを得ている。そのため、消費者はフェアトレード団体を信用して商品を購入することができるようにはなっている。

だがフェアトレードの商品は価格が高いのがネックだ。手作りで量産ができないものが多い上、ロット数が少ないため、輸送費が高くなる。そのため、消費者への負担が大きくなっているのも事実だろう。対象としているのは支援が必要な生産者のため、質が消費市場に合っていない場合もある。特に日本は質に関してはほかの先進国よりも厳しいようだ。

筆者の考えとしては、フェアトレードが現在の主要な貿易形態を変えることはできない。ただ、通常の貿易でコンプライアンス強化を促すことにはつながると思っている。

また生産者の支援につなげたいのであれば、ある程度事業が軌道に乗り、生産者の収入が改善されれば、いつかはフェアトレードを卒業すべきであると考えている。フェアトレードが必要な生産者はいくらでもいるはずだからだ。フェアトレードはあくまでもそういう社会を目指すための方法であり、目標ではないと筆者は考えている。

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