第25回 生活排水と海水を利用?

水資源の少ない豪州では、いかに水を確保するかが活発に議論されている。降水量が見込めず、地下水源があまりないのであれば、流域外から水を引っ張るやり方もあるが、注目されるのは生活排水と海水だろう。

生活排水と海水、どちらも「処理する」という事実は変わらないが、国民の受け止め方は一緒くたではないようだ。今回は、豪州人1,000人を対象にした生活排水をリサイクルした水と、海水を脱塩した水に対するアンケート調査を基盤とした研究を紹介したい。

回答者から出た主な懸念は、「環境」と「健康」、「費用」だ。まず環境面に関しては、生活排水をリサイクルした水は環境への汚水を削減できることや、もっとも環境配慮型の水源との回答が多かった。一方海水の脱塩水は、生産するのにエネルギーが多くかかる、温室効果ガスを排出する、環境問題を引き起こす可能性があるなど、ネガティブな受け止め方が多いようだ。

ただ健康面に関しては、69%の回答者が脱塩水は健康的で、健康面ではより安全な選択肢としている。これは、脱塩水は飲料水に適していると回答したのが79%に達した一方、リサイクルした水は50%程度だったことからも伺える。つまり、豪州人はリサイクル水より脱塩水を受け入れる傾向にあるようだ。特にこの傾向は、調理や飲料、シャワー、プールなど体に直接触れる場合に顕著になる。リサイクル水は、火事消火用やトイレ、庭の水やり、芝生のかんがいなどでの利用では脱塩水を上回っている。

またアンケートでは、ホルモン作用に影響を及ぼす内分泌かく乱物質が脱塩水に含まれていることや、海水の脱塩水は下水を処理したものなど、事実と異なる認識をしている人が20%に上り、知識不足が浮き彫りとなった。

地域レベルで水をどう確保するかを検討する際に、住民の受け止め方を知り、理解を促すことはとても重要だ。筆者としては、ここ数年の多雨で国民のこうした水に対する認識がどう変化したのかにも興味がある。

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