第32回 マカダミアナッツ市場に強敵現る?

豪州のお土産と言えば、マカダミアナッツ入りのコアラの形をしたチョコレートもその一つだが、世界のマカダミアナッツ市場は過渡期に差し掛かっているようだ。豪州産の約6割の輸出先である中国が大生産国になるために大規模な作付を行っている。

ちなみにマカダミアナッツは豪州クイーンズランド(QLD)州原産。丸々していて歯ごたえがいいのが特徴だ。1800年代末には米ハワイに木が持ち込まれ、同地でも一大産業になっている。豪州は今でもマカダミアナッツ生産最大手で、世界シェアで45%を占める。
ところが、中国では数年内に豪州を超えるほどの栽培面積拡大計画がある。2020年には栽培面積を5万ヘクタールまで引き上げる目標を掲げているようだ。雲南省では、豪州でマカダミアナッツ生産を行うアグリマックと提携して、栽培技術の普及が行われている。中国政府からも農家に対し多くの支援がなされているという。
一方、豪州の栽培面積は約1万7,000ヘクタール。ニューサウスウェールズ州とQLD州の沿岸域に約600万本の木が植えられている。中国での中流層増加で輸出機会の拡大を期待し、増産する農家もいるようだ。

ただ最近農業関連でよく耳にするのは、豪州で生産コストが増加していることで、たとえアジアの食料需要が増加しても、競合の安い中国産に市場を持っていかれるだろうという嘆きだ。豪マカダミアナッツ協会は「中国国内で需要を満たせない場合の輸入先リストでは豪州が一番」と考えているようだが、中国台頭後対策は早いうちに打っておいた方がいいだろう。
筆者としては今後もお土産探しに困らないよう、「豪州と言えばマカダミアナッツ!」であり続けてほしいものだが。

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