第33回 フェアトレード普及の原動力

途上国支援につながるフェアトレード(FT)が豪州で急速に拡大する中で、その原動力の一端を成しているのが若者による活動だ。現在公務員として勤務する傍ら、大学でのFT普及活動のネットワーク組織「Fairly Educated」のリーダーを勤めるクリストファー・ホイさんとビクトリア・ホイさんに豪州の状況について話を聞いた。

菓子製造大手キャドバリーやスターバックスなどの大企業がFT商品を販売するようになったことで、消費者はスーパーでFT商品を気軽に買える。豪州では3人に1人がFTを認知しており、「途上国の農家の支援につながる良い取り組み」と認識しているという。

ここ最近「FT大学」と認証される大学が増えているが、FT大学とは何か。これは、豪州ニュージーランドフェアトレード協会(FTAANZ)が認証するもので、大学内でFTを普及する団体が組織され、FT商品が販売されていることなどが加味されて認証される。

大学でFTを普及する意義は何だろうか。クリストファーさんは「学生はソーシャルチェンジに関心が高く、FT商品を買うという消費行動が身に付けば、生涯FT商品を購入するようになる」と語る。FT商品は、学内にあるカフェやスタッフルーム、ケータリング、イベントなどでも導入されている。

2009年にマッコーリー大学とRMIT大学がFT大学の認証を取得し、現在までに8大学が認証されている。認証速度から行くと、15年末までには両国のすべての大学がFT大学になる勢いのようだ。すべての大学でFTの紅茶やコーヒー、チョコレートが販売されれば、一夜にして両国のFTの売上高が倍増するという。

国際開発や貧困削減に昔から興味があったという2人は、「FTでは世界の状況(貧困や児童労働など)に対して何かアクションを起こすことができる。“買う”ことを通じて正しい選択を行える」と意気込む。

ナショナル・オーストラリア銀行は、09年に職場の紅茶・コーヒーをすべてFTのものに変えた。今後のFT普及について2人は「まず大学や地方自治体でFT商品が導入され、将来的にはすべての企業の職場でFTの食品が消費されるようになればいい」と期待感を示している。

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