第51回 コンパクトな都市

世界的に人口が都市に集中する「都市化」が進んでいる。世界人口のうち、すでに50%が都市に住んでいるが、2050年までにその割合が70%に上ると予想されている。

オーストラリアも人口の約90%が都市に住んでいる、都市化がかなり進んだ国の一つ。またブリスベーンとメルボルンを線で結んだ東側の地域に人口が集中しているのも特徴だ。オーストラリアの人口は2050年までに現在より約4,000万人増えて6,200万人になると予想されている。今後はますます人口密度が高くなり、マンションに住む人が増え、広い裏庭を持つ人も限られてくるだろう。

このほど建設100年を迎えた首都のキャンベラもあながちはずれてはいない。計画都市で有名だが、建設当時はもっと少ない人口が都市計画に組み込まれていた。現在の人口は、内陸の都市として最大の約38万人。ただ当時は2万5,000人の都市を造る予定で、将来的には人口が7万5,000人に増加すると予想されていたのだから、38万人といっても当時からすれば驚きの数字だ。

■未開拓地か空き地か

首都圏特別区(ACT)政府の土地開発局によると、その都市計画はもともと非常にコンパクトなものであったが、その後自動車の普及により移動が便利になり、郊外で住宅区の建設が急速に進められていた。この流れは2004年ごろまで続いたようだが、未開拓地開発か空き地開発かということで議論が白熱し、ACT政府は開発計画の見直しを図ることとなる。

キャンベラには「シビック(Civic)」と呼ばれる中心地のほか、郊外にも中心地がある。そこには主要な商業ビルや高層アパート、バスの停留所、ショッピングセンターが立ち並んでいる。現在、こうした中心地にあるアパートに住む人が増加しているようだ。交通の混雑を回避できることや、一軒家を購入できるだけの経済力がない人が増えたり、人とのつながりを求める人が増えたことが背景にある。人口の高齢化も影響している。

キャンベラは既存の道路脇や空き地を有効活用し、すでに開発された中心地の充実化を図っている。新たな地区を造ることは、インフラ整備の必要性や環境規制もあり、費用がかかるため敬遠される傾向にあるようだ。

今年3月に100歳を迎えたキャンベラは、次の100年に向けコンパクトな都市へかじをきり始めている。

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