オオサワ、世界最高の和牛を豪州に

同社代表の大沢氏とマーケティング担当の須和氏

牛肉商社のオオサワは、北部準州を除くオーストラリア全国各地で、牛肉を中心に各種肉類を小売り店への卸売りや消費者への宅配を通して販売している。現在はシドニー西部のストラスフィールド1カ所ですべての事業を管理しているが、日本産牛肉のオーストラリア向け輸出の再開を受け、メルボルンにも近く支店を立ち上げる計画という。

日本産牛肉の輸入再開を受け、日系各社が日本産の高級和牛をいち早くオーストラリア市場に届けようと先を争う一方、オオサワは慎重なアプローチを取っている。

大沢紀三夫社長は、自身がオーストラリアで25年前に目にした「100グラム当たり250豪ドル(現在のレートで1豪ドル=約82円)」の和牛ステーキを振り返り、「和牛は非常に高級な食材。生鮮食品のため、賞味期限も短い。市場の反応を見ながら慎重に導入して、無駄を発生させないようにする」と述べ、スピードを重視しつつも、日本の農家が精魂込めて育てた和牛を大切にすると説明した。

同社のオーストラリアでの和牛販売開始時期は10月をめどにしているという。

オーストラリアだけでなく、世界市場で近年ワギュウの人気は高まっているものの、オーストラリアの食肉市場に占めるワギュウの割合はまだ小さい。日本産和牛の価格は高級食材として定着しているワギュウをさらに上回る価格となるため、急激なシェア拡大は見込まれていない。

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