がまん力

オーストラリアの公共エリアでは、「Smoke free(禁煙)」や「Alcohol free(アルコール飲料摂取禁止)」などの標識を見かけることは珍しくない。治安の維持や、周りの人に迷惑をかけないように、という目的だろう。

ところが先日、スーパーマーケットのレジの上に「Lollies free」という見慣れない表示が掲げてあった。あめやチョコレートバーなどのスナックがレジの近くに置かれていないということらしい。レジ際の安価な菓子コーナーは、消費者の最後の購買意欲をかき立てる小売店の常套手段だが、この表示はなぜか逆行している。どうやら、子どもの肥満防止対策ということらしく、子どもを律することができず買い与えてしまう親が多いからだという。

連邦政府の保健省が、肥満対策ストラテジーとして食品業界の広告規制を強化しようとしているが、この国の肥満割合を見るにつけ、それよりも国民の「がまん力」の向上に着手するべきかも。(岩下)

 

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