オセアニア魚考

本誌で隔週連載している「オセアニア食卓図鑑」の執筆のために、これまで以上にオーストラリアのスーパーで売られている魚に注目するようになった。調べていて気づかされるのは、魚を食べる日本の食文化の奥深さだ。

日本では食卓用の魚だけで何千種類とあり、それぞれの魚で刺身にするか、焼くか、蒸すかなど、調理の仕方も無数にある。一方で、オーストラリアには南半球最大のフィッシュマーケットがシドニーにあるが、そのサイトに載っている魚の種類はかなり限られており、情報量も少ない。

だがオーストラリアには利点もある。日本でキロ当たり1万円以上する高級魚が、こちらでは同20豪ドル(約1500円)くらいで売られているケースもある。しかもシドニーでは、日本なら大きな魚市場に行かないと手に入らないような新鮮な魚一匹がそのままの形で容易に手に入る。

日本人としてオーストラリアに住むというのは、両者の利点を享受する僥倖を味わうということなのだろう。(西嵐)

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ウェルス編集部