豪州の自然の味

オーストラリアでブッシュを歩くと、どの植物が食べられるのか気になる。せっかくなので、先住民が食べていた自生植物を集めた本を購入した。バンクシアの花は甘い蜜が採れるとあり、先住民は水に浸して甘くなった水を飲んでいたとある。バンクシアの花弁をつまんで口に入れたが、甘くなかった。量が足りなかったのかもしれない。

先住民はほかに、首都キャンベラの名前の由来になったと言われるガなど、昆虫も食べていた。そう思っていたところ、シドニーでとある「スナック」に行くと、おつまみとして全体は琥珀(こはく)色ながら尻だけが緑色のアリが出てきた。見た目を気にせず食べると、レモン風味で甘い。

意外な食材に感心し、つい近所のブッシュで見かける、同じ琥珀色のアリを思い出した。思わず食べられるのかと思ったが、いやいや、アリには毒でもあるギ酸が含まれている。どうも、いやしくなりつつあるようだ。(欣達)

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ウェルス編集部