ダブル・ディップ

大阪の串かつ屋では、ソースの二度付けは厳禁。二度付けしてもいいが、店主に怒られることを覚悟しなければならない。

二度付け禁止は、潔癖な日本人にとっては当然のように思えるが、英語にも「ダブル・ディップ」という言葉がある。会食でクラッカーや生野菜などをサワークリームなどに浸けて食べる際、口にしてからもう一度浸すのはマナー違反となる。

テレビでコメディードラマを見ていて、立食パーティーで二度付けをとがめられた主人公が、挑発的にダブル・ディップを繰り返し、取っ組み合いのけんかになる、というシーンに出くわしたことがあるから、西欧社会でも侵してはならないルールなのだろう。

英語のダブル・ディップには、景気や株価の「二番底」という意味もあり、経済記事でも「ダブル・ディップ・リセッション」という表現を目にする。こちらの方も、ソースの二度付けと同様、歓迎できないことだ。(短吉)

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