和牛ブランドとTPP

松坂牛や神戸牛など、日本では高級和牛ブランドが幾つかあるが、筆者の地元の牛肉も知る人ぞ知るブランドらしい。しかし、筆者の後輩は地元で牛を育てているが、そのブランド名では牛肉を卸していない。聞けば、そのブランド名を名乗るには、「団体」に所属しないといけないとか。

団体加入者には、ブランド名と引き換えに「工夫」の自由がないらしい。何を工夫するのかと尋ねると、エサの与え方や、エサの仕入れ先など、筆者にも分かる具体例を挙げてくれた。彼はそういった努力で、コストを下げつつ良い肉を提供したいのだとか。

「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は大丈夫?」と聞くと、大歓迎だという。後輩が言うには「TPPで牛肉は下がる。それでも自分の生産する牛肉は負けない。逆に、他の畜産農家に自分の努力を証明するよい機会だ」との自信を語ってくれた。現行制度に、後輩の言う自由がないなら問題だが、TPPが妥結しても後輩の工夫が通用するのだろうか。(頼徳)

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