名産は地元に残らない?

母の実家が新潟県南魚沼市の農家で、海外に住むまでコメに苦労したことはない。おいしいコメが毎日食卓に上るのは当たり前。当時関東に住んでいた自分にとっては特権だが、米どころでは地元で収穫したコメがふんだんにあり、農家や地元住民にとっては、おいしいコメは日常の一部なのだろうと思い込んでいた。

しかし、母の実家近くのスキー場に友人と出掛けた際の食事では、なぜかコメがおいしくない。腑に落ちず調理場に聞いてみると、コシヒカリは海外や高級料亭などに流れてしまい、地元の飲食店では県外産のコメを使っているという。すぐそばの田んぼで作られたコメが地元に残っていないとは。衝撃だった。

昨年末、シドニーでオーストラリア産牛肉の特売会の広告を見た。「海外に売られる前に良い肉を買っておこう」と呼び掛ける内容。ここでもそうか。高品質のオージービーフは、シドニーよりも日本での方が見つけやすいかもしれない。(葉羽)

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