カンガルー人気があだに?

オーストラリアを象徴する動物カンガルーの肉(ルーミート)が注目され始めた。消費者の健康志向の高まりもあるが、業界もここぞとばかり、栄養価の高さや脂肪の少なさをアピールする。処理されるのは増えすぎた野生のカンガルーなので、自然そのままのスーパーフードだ。

この国の固有生物であるカンガルーは、牛や羊などと比べて数が増えても環境への負荷が小さいという。長所ばかりのようだが、なかなか食用として普及しないのは、国のマスコットでもあるからだろう。業界は市場を求めて中国向け輸出に取り組んでいるが、国内外で動物愛護家による抗議に直面している。

今月には、米カリフォルニア州でカンガルー肉の輸入禁止の継続が決まった。かわいそうだから、が理由。日本にも輸出されているが、その大半がペットフード用だとか。食用として普及させるには、ボタン肉(猪)、モミジ肉(鹿)、サクラ肉(馬)のような隠語が必要だろう。(葉羽)

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