ある肉のソーセージ

先日の夜、小腹が空いたので冷凍庫を開けて何か食べるものがないか探したところ、明るい色のソーセージが何本かあった。ちょうど良かったと思い、フライパンでさっそく焼いた。焼き上がって食いついたところ、「なんだこの肉は」と思わず眉をしかめ、だらりと口を開けてしまった。

強烈なスパイスでごまかしているが、うまみがないと言うか、いかにも「まずい肉」だ。

これは何かと家人に聞くと、ワニの肉だという。「風邪に効くと言われるので買ってみた」と言う。その時は確かに風邪気味ではあったが、ワニの肉を食べて治るようには思えず、食べ残したソーセージは無駄になった。

しかし、ワニは豪州の特産品目だ。皮だけでなく、食肉はもっとうまく加工できるかもしれない。くしくもTPPが大筋合意されて農産物の輸出拡大に期待がかかる。関税ゼロでワニ肉が日本に入り、風邪に効くともてはやされる日が来るかもしれない。50年後くらいに。(西嵐)

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