茶色の親指

英語に「Green thumb」という言葉がある。緑の親指。園芸の才能があるという意味で、転じて、金もうけにたけている場合にも使うようだ。

子どものころ、モーリス・ドリュオンの童話「みどりのゆび」が好きだった。どんな場所にもすぐに花を咲かすことのできる親指を持った少年が主人公。不思議な能力にあこがれた。そんなワタクシだが、鉢植えを買ってもすぐに枯らしてしまう。サボテンが枯れ始めたときには、われながらあきれた。

先日、ある人に一株の植物をいただいた。乾いた土に載せておくだけで、水やりの必要もなく、そのうち自然と芽が出てくるという。持ち帰って小さな鉢に土を入れ、その上にポンと置いた。

それきり完全に忘れていたのだが、昨日見ると、かわいらしい緑の芽が出ていた。だが、この後どうすればよいのだったか。尋ねてみようと思うが、そもそも何という植物だったか忘れてしまい、聞くに聞けない状況に追い込まれている。(短吉)

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