好物は少量にすべし

以前この欄で、サバの水煮缶が大好物だが、オーストラリアでは値段が3倍くらいするということを紹介した。ところが先日、韓国系雑貨店で、韓国メーカーのサバの水煮缶を発見(!)したので小躍りした。しかも缶のサイズが日本産と比べ2倍くらいある上に安いではないか。しかし油断はできない。どうせ味がダメなのだろうとは思ったが、試しに1缶購入してみた。

試食してみると、確かに身の脂が足りない感じだが、それでもなかなかどうして許容範囲の味だ。今後はこの缶にしようかとさえ思われた。

だが─。中身の量が多すぎて、食べきれない。家族は「ドッグフードみたい」と言い放ち、手を付けない。しかたなく、半分捨てることになる。捨てるものはどうしても安っぽく思えてしまうもので、これが大好物だったのか、という疑念さえ抱き始めた。そういえば確かに、食べ残しはドッグフードに見えなくもない。好物のものは、高価で少量がいいのだと思い知った。(西嵐)

 

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