第5の味覚

留守番。テーブルの上に透明な容器があり、麦チョコのようなものが入っている。口の中に何粒か放り込んだ。すると期待していた甘みではなく、痛みに似た強い刺激が広がった。すぐに吐き出してうがいをし、しつこいくらい歯を磨いた。いったいなんだろう。まさか殺鼠剤。だが、わが家には猫が2匹もいる。

嫌な後味が消えないので、濃いコーヒーを入れて飲んだ。もしかするとこれが人生最後のコーヒーかもしれない。しばらく待ったが体に異常はない。

そのうち家人が帰ってきた。さりげなくテーブルの上にあったのは何か聞いた。「子どもとマンリーの水族館に行った時に買った魚の餌の残りよ」。安心した。念のため魚の餌を扱っている会社のホームページを見てみると「優れた栄養バランス」とあったので、さらに安心。「抜群の食いつき」とも書いてある。魚は甘味と酸味、辛味、苦味が分かるそうだ。残念ながら「うま味」は認識できないことが、人体実験で判明した。(短吉)

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