本場の味
日本で生まれオーストラリアで育った7歳の少年に、どんな食べ物が好きか尋ねると、彼は迷わず「すし!」と答えた。中でもアボカドとサーモンが入ったすしが大好物だそうで、マヨネーズをたくさんつけて食べるのがおいしいと説明してくれた。
日本で育った者にとって、すしにアボカドやサーモンを組み合わせるというとアメリカ発祥のカリフォルニアロールなどが思い浮かび、王道とは感じにくい。しかし日本文化にほとんど触れずに育った少年にとっては、オーストラリアのすしが「本物」だ。
タイ出身の友人に、おいしいタイ料理店はどこかと聞くと、本場の味は外国人には親しみにくいかもしれない、と言いながら店の名を教えてくれた。逆に、オーストラリア人が大挙して押し寄せるタイ料理店のメニューは当地好みにアレンジされており、タイ人の舌には合わないのだとか。「本場の味」と「おいしさ」をそれぞれに楽しむのも、多文化国家の味わい方かもしれない。(三葉)
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