第2回 パース生活に欠かせない厳選調味料(後編)

日本料理の風味づけに欠かせないのは日本酒。私がパースで使っているのは、オーストラリア産のコメを使い、オーストラリアで醸造された「豪酒(Goshu)」です。私は日本酒は飲まないのでお酒としての味はわかりませんが、料理に使うには十分です。やや高めなので少しずつ使うようにしています。パースシティー周辺でしたら、LIONで買えます。酒類販売チェーンのダン・マーフィーズでもネット販売で取り扱っています。

海藻も外せません。オーストラリアにあるかな、とインターネットで探していたところ、タスマニア州キング島のKelp(昆布の一種)というのを「Santos Organics」という通販サイトで見つけ、購入してみました。タスマニア産の昆布で、本当に重宝しています!煮物からスープ、ドレッシング、めんつゆなど、和風テイストの料理が簡単においしく作れます。私は500g入りを買いましたが、1年以上使い続けても残っているので、割高な分その価値もあったかな、と思っています。有機食材を取り扱っているお店や、サプリメントの店でも見かけることがあります。

もともと西欧の食文化には海藻を食べる習慣がない、と言われますが、最近では健康志向の強い人に海藻が人気だそうです。オーストラリアでは、昆布はだしとして料理に使うのではなく、健康食品やサプリメントの感覚で摂取されているようです。

Kelpは昆布の一種のようですが、日本の近海で採れるダシ用の昆布と、同じかどうかはわかりません。粉末(meal)を食べ物に混ぜて食べたりするのが一般的だそうで、私が買った昆布も粉末で売られていました。また、オーストラリア産ではありませんが、Dulse(という海藻の一種)のフレークや粉末も見かけることがあります。私が見たのはカナダ産でした。

■お酢は3種類

オーストラリアでは、国産オリーブをコールドプレス(加熱せずに実を搾る方法)で搾った、良質なオリーブ油が手に入りやすいですね。また、炒めものやあえ物、スープの風味づけに欠かせないごま油も、アジア系食材店に行くと手に入ります。生ニンニクとショウガも日本と同じように販売されています。

パースのスーパーマーケットでは、国産やイタリア産のお酢が豊富に取りそろえてあります。わが家で常備するのは3種類。日本の穀物酢に近いホワイトモルトビネガーは、くせのない酸味で、酢飯やフレンチドレッシング、料理に酸味を利かせたい時に使います。また、赤ワインビネガーはマイルドな酸味で、素材となじみやすいです。サラダのドレッシングや酢の物、ポン酢などに使います。最後は濃厚なバルサミコ酢で、甘みとコクがあり、サラダのドレッシング、オーブン料理などに向いています。

■オーストラリアの計量基準の違い

オーストラリアのレシピで料理をするときにまず知っておきたいこと、それは計量です。小さじ(teaspoon)、大さじ(tablespoon)、カップというのがありますが、それぞれ、5ミリリットル(ml)、20ml、250mlです。ここで気をつけるべきは大さじとカップ、日本の基準(大さじが15ml、カップ200ml)よりも量が多いことです。日本の計量器具を使う際には注意が必要ですね。逆もしかりです。私がブログで紹介しているレシピではオーストラリアの基準を使っています。

それでもオーストラリアは、重量や温度(摂氏)の単位が日本と同じなので、比較的分かりやすいですね。例えば米国では、重量の単位がoz(オンス)やlb(ポンド)だったり、液体の単位がfl oz(液量オンス)だったりするようですが、私には全然ピンときません。オーブンの温度も華氏になると、慣れるのが大変そうですね。

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投稿者プロフィール

名取 知衣子
1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。