第14回 オージービーフでおいしいローストビーフ

パースでは12月から夏。日本のクリスマスとはまた違った夏のクリスマスを迎えます。オージーはクリスマスに七面鳥とか、ハム(といっても巨大なかたまり)などを食べることが多いようですが、私は日本に住んでいたときは、クリスマスはローストチキンやローストビーフを食べていました。かたまり肉を丸ごと調理するというのは、日本だと特別な時だけですよね。

パースでは、オージービーフのかたまり肉も手に入れやすいし、ほとんどの家には大きなオーブンが備え付けてありますので、ローストビーフはとても作りやすいメニューです。今回はクリスマス用でも普段用でもよし、のローストビーフの作りかたを紹介します。詳しい手順や、わが家でよく作る、簡単なしょうゆベースのタレのレシピをブログに載せていますので、見てみてくださいね。

わが家は、これくらいの焼き加減が好み

わが家は、これくらいの焼き加減が好み

ローストビーフは基本的にオーブンで焼くだけなので、手順は簡単、シンプルな料理です。そこで大切になるのが肉の選び方。当たり前と言えばそうですが、私はこれに気付くのに2年かかりました。

あくまで私の好みですが、オーガニックの牧草飼育(グラスフェッド)の牛肉を、スーパーではなくお肉屋さんで買います。牧草飼育のオージービーフは固いと思われがちですが、適度に柔らかくジューシーでおいしいです。赤身が中心なのでそういう意味では「固い」と評されるかもしれませんね。私は過度の脂身はしつこくて苦手ですが、オーガニックのオージービーフには食べ飽きないうまみがあります。

■上質肉でコスパ良し

そしてローストビーフに適している部位をお肉屋さんに聞いたところ、勧められたのが「スコッチフィレ・ロースト(日本ではリブロースと言われる部位)」です。スコッチフィレは牛肉でも上質の部位なので価格も高め。オーガニックで1キログラム約40豪ドル(1豪ドル=約84円)くらいでしょうか。わが家にとってはかなり豪華な食材です。でもレストランに行って家族4人がおなか一杯食べたら……40豪ドルではすまないですよね。失敗せずおいしく作れるローストビーフは、豪華な感じもしてコスパはかなりいいんじゃないかな、と思います。

スーパーなどで販売されている安めの牛肉を使ったこともありますが、やっぱり出来上がりが全然違います。牛肉を買う時、お肉屋さんで「ローストビーフを作りたい」と伝えると、店員さんがタコ糸で肉を巻いてくれます。

■翌日以降も楽しみ

作り方は、塩、コショウ、オリーブ油、バターなどで下味を付けてから、加熱したオーブンに入れ、途中で肉をひっくり返し、焼けたらオーブンから出してアルミホイルで包んで15分ほど寝かせるというものです。ホイルにたまった肉汁は、タレに使います。

私は自分が使いやすい1キログラムの肉を使います。分量を変える場合は、目安ですが、焼き時間を「肉500グラムにつき25分前後」で調整してみてください。

わが家で作る量は1回では食べきれないので、食べる分だけ切って、後はラップに包んで冷蔵庫に入れて翌日に取っておきます。

翌日は、小さめにカットしてサラダに入れたり、薄く切ってサンドイッチに入れたり、好みに切ってしょうゆを垂らして刺身風に食べたり……と色々楽しめます。ところで、こんなにおいしいのに、わが息子は全く食べてくれないのが悩みです。

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投稿者プロフィール

名取 知衣子
1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。