第20回 秋~冬の味覚、オーストラリアでも作れる栗ごはん

ほくほくした栗の甘みを楽しめる栗ごはん

週末はファーマーズマーケットに行くことが多いです。今回マーケットで見つけたのは、栗。オーストラリアでも秋~冬になると栗が収穫されます。西オーストラリア(SA)州では、アルバニー(Albany)やマンジマップ(Manjimup)など涼しい気候の南西部にいくつかの栗農場があるそうです。

地元紙の記事によると、SA州の栗の収穫は4月ごろから始まっており、昨年の天候のおかげで今年は豊富な収穫が見込まれるそう。6月半ばくらいまでが収穫時期だとか。

この日ファーマーズマーケットで見つけた栗は、500グラムで5ドルという値段の割に大粒でおいしそうだったので「今日は栗ごはんを作ろう!」と買ってみました。

■栗の皮のむき方

栗ごはんは調理自体はとても簡単で、皮むきが終われば、80%は終わったようなものです。まず栗はサッと水で洗います(意外と汚れているので)。栗の外側の皮(鬼皮)はそのままむくと固いので、栗を熱湯で1~2分ゆでると柔らかくなります。または「水かぬるま湯に1時間以上ひたす」というやり方もあるようです。

注意点は、ゆで過ぎないこと。中まで火が通ってしまうと、栗ごはんを炊く時に、せっかくの栗の香りが落ちてしまうので、中は生の状態をキープしてください。

ゆでた栗が冷めたら、まず包丁で栗のざらざらしたお尻の部分を切り落とし、次に側面をむいていきます。包丁を使っても良いですが、手でもペリペリとむくことができます。

続いて内側の薄い皮(渋皮)をむいていきます。これがちょっと手間ですね。適宜包丁を使って、そぐようにむきましょう。むき終ったら栗を水でサッと洗い、お米を合わせて炊きます。

■簡単&シンプル「栗ごはんのレシピ」

詳しい材料と作り方はブログ(http://perth-zanmai.com/)で紹介していますが、栗の風味を損なわないよう味付けはシンプルに、日本酒と塩、そして昆布。我が家の場合は、昆布だしとしてタスマニア産のケルプ(Kelp/昆布の一種)粉末を使用します。普通の昆布を使ってもOKです。調理には炊飯器を使ってももちろん良いですが、鍋を使って炊くのがお勧め。

オーストラリアで栗ごはんを作る場合、お米は、サンライスやコシヒカリなどの、日本スタイルの短粒米(short grain rice)を使ってください。見た目がよく似た中粒米(medium grain rice)も売られていますが、調理時間や水の分量が違うため、このレシピではうまく調理できませんので注意してください。

通常のごはんなら、お米1合(180ミリリットル)に対して水は約220ミリリットルです。今回は米4合のレシピなので「酒大さじ2+昆布のだし汁+水=880ミリリットル」になるよう調整します。あとは塩と栗を入れてご飯を炊くだけです。

調理時間は、栗の皮をむく時間を除いて30分程度。塩、酒、昆布だしの量は好みで調整してください。米の量に対する水分量さえきっちり測っておけば失敗はありません。

栗のナチュラルな甘さを味わう「栗ごはん」。オーストラリアの栗は日本の栗より甘みが薄いかと思っていましたが、全然そんなことはなく、ほくほく甘くておいしかったです。パースではもうしばらく栗が出回るようなので、お住いの方はぜひお試しください。

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投稿者プロフィール

名取 知衣子
1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。