第25回 甘さ控えめのイチゴのケーキ

パースで1度買ってみたケーキが甘すぎて食べられなかったので、ふわっとしたスポンジに、トロッとした生クリームがたっぷり乗っている、フレッシュな感じのケーキを自分で作ることにしました。このケーキ、作りたてももちろんおいしいですが、何時間か冷蔵庫に入れておくと、スポンジがしっとりして、別の美味しさが楽しめます。

■パースのイチゴ

パースでは、9月の春の始まりから初夏にかけてイチゴがたくさん出回ります。

こちらのイチゴは日本のに比べると大味で、すっぱいものが多いです。軽く煮てイチゴソースにし、シンプルなスポンジと生クリームに合わせることにしました。このソースだけを、ヨーグルトやホットケーキにトッピングして食べてもおいしいです。

今回は、ロールケーキの生地を、巻かずに一口大にカットし、トライフルのように仕立てようと思います。

スポンジ作りのポイントは、卵を泡立てる工程です。私は現在、オーストラリア製の電動泡立て器で卵を泡立てていますが、こちらは電圧が強いせいか、機械の作りなのか、日本製に比べてパワーが強すぎます。

オーストラリアの電動泡立て器では、最低速でも高速すぎて、気泡が大きなまま。これだと、ボソボソで穴の開いた生地になってしまいます。なので、卵が泡立ったら、仕上げに手動で泡立て器ごとグルグルと回します。これをすることで、ツヤが出てなめらかな生地になります。

生地をふんわりと仕上げるには、グルテンの少ない小麦粉を使った方がよいです。

■ホイップクリームを作る

パースでうれしいのは、生クリームはとても手軽に買えることです。

日本では純生クリーム(植物性脂肪が混ざっていない本物の生クリーム)は、200mlで300~400円くらいしたと思います。スーパーによっては、取り扱っていない場合もあり、ちょっと特別な、高級食材という感じでした。

でもパースでは純生クリーム(whipping cream)が、300ml入りで2豪ドル(1豪ドル=約87円)前後から、ほとんどのスーパーで見つかります。質も微妙に日本のものと違うと私は感じます。色は日本のものに比べると、わずかに黄色みがあります。まさにクリーム色、という感じです。

パースでよく見かけるホイップ用生クリームは、『Whipping Cream』と表示されています。あるいは、『Pouring Cream』または単に『Fresh Cream』などと表記されることもあるようです。乳脂肪分35%以上となっており、私はこのタイプをいつも使っています。

また、私は買ったことがありませんが、Whipped Creamというのもあるようで、それはすでにホイップされているものなので、間違わないように注意が必要です。また、『Double Cream』というのが、脂肪分45%以上のものらしいです。

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投稿者プロフィール

名取 知衣子
1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。