第28回 マーケットで地元の農産物を楽しむ

ファーマーズマーケットでは地元産の農産物が手に入ります

パースを訪れる方にぜひお勧めしたいのが、パースの食・農業・ライフスタイル・人々の雰囲気を肌で感じることができるファーマーズマーケットです。

パースには人工的なレジャースポットはほとんどありませんが、ファーマーズマーケットでは地域の住民の生活環境を、飾らない形で知ることができます。

ファーマーズマーケットは各地にあり、週末に開かれるものが多いです。それぞれに個性があり、新鮮な農産物を求める買い物客でにぎわっています。また、パース周辺でユニークな物を作り続ける小規模生産者と一般の消費者をつなぐ、重要な場ともなっています。

■代表的なマーケット

これまでに訪れたファーマーズマーケットから3カ所をご紹介します。

1カ所目は「ファーマーズマーケット・オン・マニング(Farmers Market on Manning)」です。芝生の敷き詰められた地面と、大木がほどよい木陰を作り、リラックスした雰囲気です。

このマーケットは店舗数が多く、品ぞろえが充実しています。地元産の農産物を扱うお店が多く、有機栽培の野菜や果物も売られています。屋台も多く、天然の材料を使用したアイスクリームやジュースなど、子どもが喜ぶ食べ物も手に入ります。

2カ所目は「カラマンダ・ファーマーズマーケット(Kalamunda Farmers Market)」です。カラマンダはパースの東にある高台、パースヒルズ(Perth Hills)の中にあります。都市部からはやや離れていますが、店舗の数も種類も充実しています。

ショッピングセンターから近くの小道の両脇にテントが立ち並ぶので、通りを歩きながら品物を見て回ることができます。

このマーケットでのお勧めは、パースから約90キロメートル北のジンジン(Gingin)で操業しているオリーブ農場、ギニーグローブ・ファーム(Guinea Grove Farm)のオリーブオイルです。同農場は、化学肥料や農薬を使わずに生態系の自然な作用を生かした栽培を行っており、循環型の生産システムに付与される、バイオダイナミック(Biodynamic)の認定を取得しています。

3件目はパース北部、スターリング(Stirling)の市庁舎駐車場で開催されている「スターリング・ファーマーズマーケット(Stirling Farmers Market)」です。小規模ですが、イケアやウエストフィールドといった大型のショッピングセンターに隣接しており、便利な立地です。

駐車場の端に、ストリートミュージシャンの演奏を楽しみながら座ってくつろげる場所が用意されています。車が停めやすいので、日常使いの野菜や果物を短時間で買うのに適したマーケットです。

近所のカリニャップ(Karrinyup)ショッピングセンターでは、スワップマート(Swapmart)というフリーマーケット(のみの市)も開かれています。

マーケットのオリジナル・エコバッグ

■ファーマーズマーケットに行く時の注意

ファーマーズマーケットでの支払いは現金が便利です。出店舗や品ぞろえは、時期によって変わります。

また、エコバッグなど、商品を持ち帰るための袋を持参すると役立ちます。レジ袋のようなビニール袋を用意している店舗もありますが、ファーマーズマーケットの利用者の多くは環境保護を支持しているため、再利用できるエコバッグを使用しているようです。

ファーマーズマーケットでは質の良い商品や人気の品はすぐに売り切れてしまうので、開店は朝7時台など早いところが多いですが、できるだけ早い時間に行った方が希望の商品を手に入れられます。

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投稿者プロフィール

名取 知衣子
1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。