第30回 パースでキノコを食す

肉やチーズは一切使用しないサラダ

キノコはパースで人気の食材です。最もよく見かけるのはマッシュルームで、さまざまな種類があります。

日本語でマッシュルームと聞くと、思い浮かべる形にあまりバラエティーはありませんが、英語のMushroomは、かさのあるキノコ類全般を指します。しいたけは「Shiitake mushroom」、ヒラタケは「Oyster mushroom」となりますので、英語のMushroomは、日本語のキノコと同じく、幅広い種類をまとめて指す言葉になります。

パースでよく見かけるのは、ボタン・マッシュルーム(Button mushroom)です。丸くて小さい、日本でもよく見かける白色の種類です。カップ・マッシュルーム(Cup mushroom)は、ボタン・マッシュルーム が少し成長したもので、カサの中の色がやや濃いです。フラット・マッシュルーム(Flat mushroom)は、カップ・マッシュルームがさらに成長したものになります。大きくて、カサの中が濃い色で、シイタケの表裏の色を逆にしたような感じです。

ボタン・マッシュルームのように丸く小さくて、外側の色が茶色いブラウン・マッシュルーム(Brown mushroom)もあります。オーストラリア産のしいたけ(Shiitake mushroom)やしめじ(Shimeji)などもまれに店頭で目にすることはあります。ただ、値段は高めです。

ボタン・マッシュルームは大抵のスーパーで売られていますが、ほかのマッシュルームは時期によって手に入らないこともあります。それぞれ食感や風味が微妙に違うと思いますが、私自身はあまりよく分かりません。一番使いやすく、価格も安めなボタン・マッシュルームを購入することが多いです。

■マッシュルームの選び方と保存方法

パースでは、パック済みのマッシュルームも売られていますが、バラ売りも多いです。バラ売りの場合は、状態の良いものを自分で選べることが利点です。

湿ってブヨブヨしているものや、しなびてしまっているものなどを避け、カサが固く締まって傷みの少ないものを選びます。

売り場にはたいていマッシュルーム専用の紙袋が置いてあります。マッシュルームは、ビニール袋に入れると袋の内側が汗をかいて、その湿り気でマッシュルームが傷んでしまうので、こうした紙袋に入れて保存するようです。

冷蔵庫で保存すれば数日は持つらしいですが、すぐに変色してしまうので、早めに調理することをお勧めします。

また、マッシュルームは水洗いをしない方が良いと言われています。水分を吸収しやすく、水洗いにより風味や食感を損なうため、湿らせた布巾で汚れをふき取るのが理想的とのことです。ただ、拭き取りだけで泥汚れなどをすべて落とすのは難しいので、私は水洗いしてしまうことが多いです。

■にんにくしょうゆドレッシングで

マッシュルームは幅広い料理に使えますが、今回はオリーブオイルでマッシュルームをじっくり焼いて、旨みとプリッとした食感を引き出して、生野菜と合わせるサラダを紹介します。

ボタン・マッシュルームでもフラット・マッシュルームでも、お好みの種類のマッシュルームで調理できます。

焼き上がったマッシュルームを、焼きガーリックの風味を加えたしょうゆドレッシングで生野菜と合わせます。野菜だけのシンプルなサラダなのに、マッシュルームとにんにくの風味で、驚くほど深みのある味わいになります。

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投稿者プロフィール

名取 知衣子
1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。