第32回 旬のキャベツとリンゴで作るコールスローサラダ
パースには冬が訪れ、マーケットで出回る野菜もすっかり冬仕様です。
ただ、西オーストラリア州は広いので、比較的年間を通して野菜は安定して供給されているようです。とはいえ、やはり青果には旬の季節があります。
冬に買いやすくなるのが、キャベツと白菜。
キャベツは、寒い時期ほど流通量が増えてきます。1個当たりの値段も、夏に比べると2分の1から3分の1くらいまで安くなります。品質も暑い時期よりも良くて、本当に今が旬だと感じます。
また白菜(Chinese cabbage、またはWombok)は、鍋物、スープ、野菜炒めなどに使用するので出番が多くなります。
暑い季節に栽培された白菜は、虫がついていて、外葉をむくと中が傷んでいたり腐っていたりすることが結構多いでが、今のような寒い季節では、質がよくて、持ちもよく、値段も下がってきます。
■リンゴも旬
リンゴも、通年通して販売されてはいますが、秋冬が旬です。
パースでは、主に6~7種類のリンゴが売られています。同地では季節を問わず多様な食材を買うことはできますが、できれば新鮮でお手頃な旬の野菜や果物を味わうことをお勧めします。
パースで手に入る果物は全体的にあまり甘くありません。品種自体が甘くないということに加え、熟する前に店頭に並んでしまっていることなどが理由のようです。ただ、デザートとしてそのまま食べるにはイマイチでも、料理に取り入れれば味の幅が広がります。
日本では果物はあまりおかずに入れませんが、オーストラリアのレシピを見ていると、果物はデザートだけでなく、料理の食材として頻繁に登場しています。
サラダや肉料理の付け合せに、リンゴ、洋ナシ、オレンジ、スイカ、もも、マンゴーなどが広く使われています。日本の料理で甘みや酸味を砂糖や酢で加えるのと同じ感覚でしょうか。
■キャベツとリンゴのサラダ
旬のキャベツは、ざく切りにして野菜炒めに入れたり、スープの材料にしたりと、工夫して食べていますが、同じく今が旬のリンゴを合わせるコールスローサラダもよく作ります。
材料を刻むのに一手間かかりますが、刻んだ後は材料を合わせるだけのシンプルな手順です。
我が家で作るコールスローは、最低限の調味料で味付けをして、漬け込むなどの時間がかかる手間も省いて、ひたすら簡単に仕上げます。
コールスローに使うリンゴは、パースで買いやすいPink Lady(西オーストラリアで豊富に生産されているピンク色のリンゴ、酸味と甘みがある)や、Granny Smith(青リンゴ。酸味が強く、歯ごたえがあり若干スパイシー)がお勧めです。
さらに、オーストラリアで人気の野菜、ビートルート(Beetroot:ビーツとも呼ばれる)をアクセントに加えます。ビートルートは一年を通して手に入り、冬場も店頭でよくみかけます。オーブンで丸ごとじっくり焼くと、甘味が引き出されます。
コールスローの味付けは、ワインビネガー、オリーブオイル、塩でシンプルに抑え、マヨネーズは使いません。本当にシンプルですが、リンゴの酸味と甘みに加え、ビートルートのほのかな甘みが味のバランスを整えてくれます。そしてキャベツのシャキシャキとした歯ごたえがおいしい。
クリームシチューと合わせたり、こってり系の肉料理と合わせると、さっぱりとして良いバランスになると思います。
投稿者プロフィール
- 1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。
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