第41回 バンバンジー(棒棒鶏)&ゴマダレ、海外でも手軽に作ろう

パースも、3月も半ば・・・『秋』と呼ばれる季節になってきました。まだ暑い日もやってくるけれど、涼しい日も交互にやってきて、朝晩はむしろ、思わず長そでを羽織りたくなる気候です。今回は、そんな時期においしい、『バンバンジー(棒棒鶏)』のレシピです。

暑い季節に一番ピッタリかもしれませんが、副菜に温かいスープや温野菜、煮物などを合わせれば、涼しい季節でもおいしく食べられます。鶏ムネ肉はゆでるだけ、野菜もたっぷりで、一皿でもバランスのとれたヘルシーメニューと言えます。パースで手に入る材料で、簡単お手軽にできます。

ゴマのうまみがたっぷり

■ネリゴマ、海外ではどうする?

バンバンジーで欠かせないのが、ゴマダレ。こちらでは、タヒニ(Tahini)という名前で売られています。

タヒニは、世界では、主に中東や地中海料理に使われる食材として有名です。

特に、ハモス(Hummus)という、ヒヨコ豆とタヒニを合わせたペーストは、中東地域および北アフリカ発祥の料理ですが、今では栄養面の優れていることやヘルシーさもあり、欧米でも人気です。パースでも、レストランやカフェに行くと、パンなどのスプレッドやオードブルのディップとしてハモスが登場することがあります。

タヒニは、ゴマをローストして挽いたものということで、栄養面が優れていることは言うまでもありませんが、特に不飽和脂肪酸を多く含み、血中の悪玉コレステロールを下げる働きがあります。また、不飽和脂肪酸の一種、オメガ3脂肪酸(αリノレン酸)は、神経細胞を健康に保ち、脳や精神の健康維持に役立つ栄養素です。

さらに、ゴマは良質のたんぱく質や、食物繊維も豊富に含みますし、ビタミンB群、鉄分、カルシウム、銅、マグネシウムなどのミネラルも含みます。どれも体を健康的に保つために欠かせない栄養素です。

栄養に優れたゴマですが、外皮が固いため、そのまま食べても栄養が体に吸収されにくい面があります。しかしタヒニならば、消化吸収に優れているため、貴重な栄養素を損なうことなく取り入れられるのがメリットです。

チリとコリアンダーで香りづけ

■ゴマダレも大活躍!

バンバンジーのタレは、タヒニを使って作ります。火を通す必要もなし、材料を混ぜるだけ。

タヒニは、ゴマの油が上に浮いている場合があるので、あらかじめよくかき混ぜてから、使います。器にタヒニを入れ、そこに醤油を入れ、よく混ぜる。そこに、酢、ラパデュラシュガー、にんにくを入れていき、その都度なめらかによく混ぜる。最後に、ゴマ油と、すりゴマまたは炒りゴマを入れて、最後にまたよく混ぜれば出来上がりです。

鶏肉は、ムネ肉を使います。鶏肉をゆでる時は、たっぷりの水に入れ、少しの日本酒を足して、ふたをしてゆでます。鶏肉に火が通ったら、できるだけ時間をかけて、そのまま冷めるまで置いておきます。冷めた鶏肉は手で割いて盛り付けます。野菜は、レタス、きゅうり、ゆでたもやし、などお好みのものを。

このレシピは、子どもでも食べられるよう、辛みをつけていません。

大人向けなら、ゴマダレに刻んだチリ(唐辛子)やラー油などを足してもいいかもしれません。冬になったら、鍋のタレにも使えるかも。豚肉とも合いそうです。

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投稿者プロフィール

名取 知衣子
1973 年東京生まれ。2013 年から西オーストラリア州・パースに在住。夫、ハイスクールに通う長女、プライマリースクールに通う長男の4人家族。日本と異なる生活に試行錯誤するうちに、オーストラリアの豊かな食事情に興味を持つようになる。オーストラリアのローカル食材を使って日本人が手軽に楽しめる家庭料理を研究中。レシピをブログ「パースで手作りざんまい(http://perth-zanmai.com/)」で公開している。