第15回 意外と知的?羊の知能はサル並み!

牧場経営者の間では、羊というと牛などの家畜と比べ知能が低く、扱いが難しいと評されることが多々あります。また羊は群れをなして行動することから、一般には自分の意志などまるでないような印象を与えるかもしれません。ところが実際は、互いに密集することで、捕食動物などの外的な危険から効果的に身を守っているのです。

また羊は先導者に従う傾向が強く、最初に動いたのが仲間の羊であったとしても、すぐについていってしまうというやや間抜けな一面もあります。そのためか、群れをなす羊は一般的に、愚かものの代名詞としても使われてきました。しかし、そのようなイメージを覆す調査結果が2011年に発表されているのです。

■サル並みの知力を発揮

英タブロイド紙デイリー・メールのオンライン版「メール・オンライン」によると、羊がネズミやリスなどの齧歯(げっし)動物に加え、サル並みの知能を持っていることが、英ケンブリッジ大学の研究により突き止められています。

さらに驚くことに、いくつかのテストにおいては、羊が人間並みの知能を発揮したとか。同研究では、羊は明らかに高レベルの学習能力を備えており、自らを取り巻く環境を認識し、かつ自分の取る行動を計画することができると結論付けています。

同研究を担当した脳神経学者であるジェニー・モートン教授によると、羊はサル以外の大型動物にはできなかった認識力テストに合格しました。このテストでは、異なる色のバケツを用意し、片方の色のバケツには餌を入れ、もう片方の色のバケツには何も入れないでウェルシュ・マウンテン・シープの前に差し出します。これを数回繰り返し、羊には一方の色のバケツにのみ餌が入っていることを認識させます。モートン教授によると、羊はこのテストを7回繰り返した後、間違うことなく餌の入ったバケツを選ぶことができるようになりましたが、これはサルや人間と同じ回数だったそうです。

さらに難易度の高いテストでは、餌のありかを示すために、色分けされたさまざまな形が使用されました。羊は新たなルールを理解するのに32回のテストを必要としましたが、同様のテストはネズミやラットなどでは不可能でした。

■餌の選定能力も

また英国のある牧場経営者によると、羊は自らの健康状態を維持するため、数多くの種類の野草や薬草の中から、最も適したものを自然に選び食べるそうです。

例えばNZの夏には、丈の低い豆科植物が黄色とオレンジ色の花を咲かせますが、これは地元では「エッグ・アンド・ベーコン」と呼ばれており、漢方の世界では抗寄生虫成分を含むことで知られています。羊はこの植物を指示されることなく、できる限り多く摂取します。そのため羊は、狭い牧草地で飼育されている場合でも、健康に育つのです。

このように羊は、これまでの認識を大きく上回る学習能力を備えているほか、自らの身を守るのに必要な知能も身につけているといえますね。
 

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