第19回 牧羊犬ロボ登場! スマホで操作も?

シドニーで毎年4月初旬に開催される「イースターショー」では、羊の群れを追う牧羊犬(シープドック)のデモンストレーションが披露されます。観光牧場などでシープドックショーを見たことがある人の中には、牧羊犬が羊を手際よく誘導する姿に思わず魅せられた人もいるでしょう。

牧羊犬は羊飼いの良きパートナーです。羊は人が1人で追い立てても思うように動いてくれませんが、訓練された一人前の牧羊犬では、1頭で約600頭の羊を誘導できると言われています。

羊をうまくコントロールするには、羊飼いとのコミュニケーションが重要となりますが、英タブロイド紙デイリー・メールによると、この牧羊犬に代わって、電池式の飛行ロボットを導入する試みがなされているというのです。今回は、そんな驚きの技術についてご紹介します。

■飛行物体が羊を追跡

27歳のフランス人男性マークアレクサンダー・ファビエ氏が開発したこの飛行ロボットは、まるで未確認飛行物体(UFO)のような外見をしています。

農家出身であるファビエ氏は、広大で遠く離れた場所からでも家畜を管理・監視できるよう、無人航空システムの試作品を製作。この空飛ぶ無人ロボットには、遠隔地からでも羊や牛を見つけることができるカメラと、認識ソフトウエアが搭載されています。

現段階ではWi−Fiを利用しコンピューターから操作していますが、将来的には羊飼いがスマートフォンを通して操作できるよう開発が進められています。

ファビエ氏は「各分野で導入される業務用ロボットの数は著しく増加している」と指摘し、牧畜分野でもその動きに後れを取らないようにすべきと話しています。

ロボット開発は世界各地で進んでおり、米国の軍事技術を統括する米防衛省は先に、ジャマイカの陸上競技短距離選手ウサイン・ボルト氏よりも速く走ることができ、また指導者の命令にも反応するロボット犬を開発しました。「LS3」または「アルファ・ドッグ」の愛称で知られるこのロボット犬は、最大で自分と同じ181kgの荷物を運べ、24時間駆動のバッテリーで約32kmの走行が可能だそうです。

■牧羊犬は「護羊犬」

このように、機械化やロボットの導入はさまざまな場面で進んでいますが、家畜の歴史と同じくらい長い歴史を持つ牧羊犬が消えてしまうのは、やや寂しい気もします。

そもそも牧羊犬の歴史は、羊を野獣などの外敵から守る「護羊犬」から始まっており、当初は体が大きく強い犬が使われていました。しかし外敵の数が減り、飼育している羊の頭数が増えてくると、次第に羊飼いのパートナーとして働く犬が必要になってきたのです。

一人前の牧羊犬となるには、羊の群れの周りを走り続けることができる「体力」のほか、命令に従わない羊や、犬に歯向かう羊にも負けない「気の強さ」、そして、臆病(おくびょう)な羊を驚かさないようゆっくりと行動する「落ち着き」の3つが必要とされています。

これらの要素すべてをロボットがカバーすることができるかが、新技術の導入に向けた鍵となりそうです。

 

関連記事

アーカイブ

ウェルスのトリビア

青果企業コスタがAIによる生産管理を始めるそうです。センサーによるデータ収集と分析により、どんな利点があるのでしょうか?(答えはこちら

ページ上部へ戻る