第9回 生産者と消費者つなぐマーケット、舞台裏拝見!

生産者などから食品を直接購入できるファーマーズマーケットを利用する人が増えている。日本で言う「農産物直売所」という感じだが、野菜や果物を並べるだけの素朴な出店者ももちろんのこと、最近は、健康的でグルメな食べ物を求める消費者が増えたからか、オーガニックは当たり前、「厳選素材」で作った「こだわり商品」を売る生産者が増えた。

ノースシドニーで毎月第3土曜日に開かれる「ノースサイド・プロデュース・マーケット」は、今年で15年目。2011年には地元紙シドニー・モーニング・ヘラルドが選ぶ「シドニーのベストマーケット」の栄誉を受けた。ノースシドニーコミュニティーセンター(NSCC)が主催する同マーケットの「Behind the Scene Tour(舞台裏ツアー)」に参加した。

ツアーの人気の高さに驚く。一度目の申し込みは開催日の数週間前の時点ですでに満員御礼で、二度目の申し込みで参加できた。参加費は無料。次回6月のツアーはすでに満席だ。

■朝10時は遅い?

当日の集合は朝7時半。マーケットの開催時間は午前8時〜正午だが、到着してみると、すでに設置されたテントで生産者が食品を販売しており、買い物客の姿もある。ツアーの参加者で同マーケットによく来るという女性によると「常連の人は朝一番に来て、お目当てのものをさっさと買っていく。午前10時過ぎに残っているのは『余り物』」だそうだ。マーケットは雨天決行となっており、通ってくる常連客のためにと、生産者もほとんどが雨でも店を出すという。いつも朝寝坊して午前10時過ぎにマーケットを訪れ、雨の日はあっさりあきらめる筆者としては、ぐうの音も出ない。

ツアーのガイドは、シェフでもあるトーニャ・バーさん。同マーケットには過去15年間で75軒以上の農家や生産者が出店しているが、トーニャさんはそのほとんどと「少なくとも15年の付き合いがある」と笑う。小規模農家や生産者の作り出す「美しい食品」に魅了され、生産者と消費者を結ぶ「フード・ツアー」を各地で行い、ガイドもする。シェフとしての経験と知識を生かして、マーケットにある食材を使ったレシピなども紹介し、参加者に好評だ。

■毎回違う訪問先

1時間ほどのツアーでは3〜4カ所の店先を訪れ、生産者の話を聞き、商品を試食する。話が盛り上がったり、途中で寄り道したりはしょっちゅうで、「時間内に終わらせることが一番の課題」とのこと。迎える生産者の負担を軽減する意味もあり、ツアーでは毎回訪問先が違う。そのため、何度も参加する熱心なリピーターもいるそうだ。

この日は生産者の1人で、養鹿(ようろく)農家でベニスン(鹿肉)製品を販売するソフィー・ハンセンさんが地元産農産物の説明や料理レシピを書いた著書「Local is Lovely(地元は素晴らしい)」の出版を記念したトークショーが開催された。トーニャさんを含め、これから生産者の話をいろいろ聞いていこうと思っている。

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