第19回 夏はもうすぐ!こだわりビールをまとめて楽しもう

ビールをはじめ、アルコール消費の伸びに陰りが出てきたオーストラリア。その中で成長目覚ましいのが、小規模ビール工房(マイクロブリュワリー)によるこだわりビールだ。大手の傘下に入っているブランドもあるものの、そのほとんどは生産規模が小さいため、どこでも飲めるわけではない。そんなクラフトビールを飲み比べることができるのが、これからの時期に開催されるビールイベント。シドニー北部ウィロビー(Willoughby)のクラフトビールフェアに出掛けた。

■クラフトビールって?

クラフトビールは、日本では地ビールと訳されることもあるが、小規模ビール工房が作る「高品質のこだわりビール」としてそのまま名前が定着しつつある。オーストラリアの業界団体クラフトビア・インダストリー・アソシエーションの会長によると、クラフトビールの定義は「ビール醸造者の技術に基づく科学と芸術との間にある、物の見方から生まれるもの」とかなり抽象的だ。ちなみに米国での定義はより具体的で、「小規模、独立性、伝統性」と大きく三つに分かれ、年間の生産量が制限されていることから大手はクラフトビールを作れず、小規模ビール工房を守る取り組みがなされている。

一方、オーストラリアはオープン。代表的なクラフトビール「マチルダ・ベイ」と「ジェームス・スクワイア」がそれぞれ醸造大手カールトン&ユナイテッド・ブリュワリーズ(CUB)と同ライオンの傘下という、大手でもクラフトビールを作れるという「矛盾」があるものの、ビール職人に発言力があることは変わらず、伝統に縛られない自由な発想のビールが続々と登場している。

■大手の狙いも見え隠れ

ウィロビーのフェアで真っ先に向かったのは、シドニー北西部拠点のオーストラリアン・ブリュワリーのテント。日豪の経済連携協定(EPA)で日本での輸入関税が今後撤廃されることを好機と見て、日本への缶ビール輸出に踏み切っている。以前弊誌で取り上げた麹(こうじ)を使った「Koji Beer」の開発について聞くと、「肯定も否定もしない」とつれない返事。代わりに、いち押しだという米国産クラフトビール「ブルームーン」をなみなみと注いでくれた。オレンジのスライスと飲むのが良く、はやらせたいという。実は同ブリュワリーは飲料大手コカコーラ・アマティル(CCA)とカセラ・ワインズの合弁会社。ライオンと英SABミラーのビール2大勢力に挑む国内第3のビール勢力として、米国の人気ブランドを持ちこんだCCAの戦略が垣間見える。

このほか試飲したのは、エンデバー・ビンテージ・ビアの「ブライトエール」で、世界最大規模のビール品評会「ワールドビールカップ」2014年大会で3位に入賞した逸品。ニュージーランドのモンテース(Monteith's)によるアルコールの入ったジンジャービールも珍しい体験だった。チョコレートやベリーの風味をつけたビールも目立った。

今月はシドニーのロックス地区で、18~26日にシドニー・クラフトビア・ウイークが開催される予定だ。

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