第53回 日本の技術を売り込み!シドニーで外食業向け展示会

シドニーで5月下旬、220社以上が出展する大規模な外食業界向けの食品や機器の展示会「フードサービス・オーストラリア2016」が開かれた。日系企業の姿も見られ、その中からオーディオテクニカ(東京都町田市)特機部・海外営業課の阿久沢信朗氏と、青木刃物製作所(大阪府堺市)の青木俊和・専務取締役に話を聞いた。

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オーディオテクニカが紹介していたのは、飲食店向けの寿司製造機。しかし同社は、社名が表す通り、ヘッドフォンやスピーカーなどオーディオ機器の会社だ。なぜ寿司の製造機器を手掛けるようになったのか、その理由を阿久沢氏に聞いた。

「複数の説があり、その一つ」と同氏が教えてくれたのは、「寿司製造機に使われているターンテーブルに、自社のレコード回転盤の技術を生かせるため」というもの。オーディオテクニカが食品加工機器の開発を始めたのは30年ほど前。音楽CDの登場で、レコード盤の将来が危ぶまれるようになったのがきっかけだ。当初は温泉卵やそうめん、寿司の製造機器を開発したが、食品は不慣れな業界ということもあり、まずは業務用ではなく、手で動かすものなど家庭向けを展開。その後残ったのが寿司製造機で、需要を見据えて業務用の提供にかじを切ったという。

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寿司製造機の海外への輸出が始まったのは10年ほど前。現在は北米や欧州を中心に、オーストラリアでは年間100台前後を売る。オーストラリアについては「市場は小さいが人件費が高く、小規模店でも寿司製造機への需要が高い」と受け止めており、販売も緩やかに伸びているという。寿司製造機では競合メーカーもあるが、強みは「コーヒーマシーンにも見えるデザインの良さとコンパクトさ、手入れのしやすさ」だ。

オーストラリアで苦労することを聞くと、「なんといっても国の広さ」だそうで、顧客のもとに気軽に駆け付けることが難しいという。ちなみに国内では、パース拠点の地場企業スシマシーンズ・オーストラリアが販売を担当している。

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■シドニーで販売開始へ

青木刃物製作所は今回、初の出展だ。海外での販売は北米や欧州、アジアなどに10年前から行っているが、「ここ5年くらいでさらに増えてきた」(青木専務取締役)という。オーストラリアからでは、来日して同社の包丁を購入する人が増えている一方、購入した後のメンテナンスをサポートできないという課題があったという。

今月には、包丁についての訓練を積み、同取締役が「完全な信頼を置く」中国系オーストラリア人が、同社の包丁を販売し、メンテナンスも行う店舗をシドニーにオープンする計画だ。

 

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